常に持ち歩いて日々の外部被曝(ひばく)線量を測ることができる「個人線量計」について、国民生活センターが商品テストを実施した。調べた6機種のうち3機種で、日本工業規格(JIS)基準を上回る誤差が明らかになった。同センターは「欠陥商品とまでは言えないが、消費者にとっては好ましくない」として、メーカーや販売業者に改善を求めている。
携帯式の個人線量計は元々、放射性物質などを扱う施設で働く人のために開発された製品だ。東京電力福島第一原発事故の後は、被災地で子どもに持たせるなど、一般の利用が広がる。
同センターは、インターネットのショッピングサイトで買える製品から6機種を抽出(価格は約2万5千〜10万5千円)。1時間あたり1マイクロシーベルトの放射線を24時間照射し、24マイクロシーベルトとの誤差を調べた。その結果、3機種はJIS規格が許容誤差としている15%以内に収まったが、残りは30〜40%程度のずれが生じた。6機種のうち5機種は外国製。
個人線量計は不良品でなくとも、使っていくうちに一定の誤差が生じることがある。調査した製品はいずれも、取り扱い説明書で誤差の範囲を10〜15%としていた。同センターは販売前の品質の点検と、誤差補正などアフターサービスの充実を業者に要請した。
同センターは今回のテスト結果を銘柄入りで、ホームページ上で公表している。(兼田徳幸)