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【前田大輔】1300万都市・東京のかじを取る知事の力。元都職員の佐々木信夫・中央大大学院教授(行政学)は「もう一人の首相と言っても、過言ではない」とその権力の大きさを語る。
歴代都知事はこれまで、国に先駆けた政策を打ち出してきた。石原慎太郎・前知事は1999年の就任当初からディーゼル車規制に乗り出すと、首都圏を巻き込んだ規制になった。67年に就任した美濃部亮吉氏の福祉や公害対策も、全国の自治体に波及した。
力の源泉は、二つある。まずは財政力だ。今年度一般会計の歳入(6兆1千億円)のうち自主財源は81.4%で、地方全体の自主財源比率(47.8%)に比べてずば抜けて高い。国が各自治体に出す地方交付税に頼ることなく、都は自らの財布を使って独自政策を打ち出せる。今年度予算を見ても、中小企業制度融資(2524億円)、豊洲新市場の整備(607億円)、緊急輸送道路の機能確保(304億円)など、大型の独自事業が並ぶ。
もう一つは、地位の安定性だ。首相とは違い、4年の任期が保障される。2000年以降、東京の知事は石原前知事のみだが、首相は現在の野田佳彦氏で9人目だ。知事は予算や条例案の提出権があり、議会のチェックはあるものの、自らの判断で政策を決定できる強みもある。議会の解散権も持っている。