|
|
13年ぶりに東京都知事が交代する選挙戦が29日、スタートした。石原慎太郎前知事が強い個性で推し進めた政策に対し、各候補は街頭で自らの立場を鮮明にした。課題を抱える大都市の将来をどう描くのか。新知事が担う責務は重い。
■新銀行東京
「都が1千億円も出したのに不良債権になって、都民の税金を失った。こんな大失敗をした新銀行東京、即刻、営業譲渡して清算しないといけない」
松沢成文氏は東京・日本橋での第一声で、一段と声を張り上げた。
各候補者の違いが最も鮮明に出るのが、石原前知事が設立した新銀行東京を今後どうするかだ。税金1千億円を使って設立したが経営が悪化。400億円を追加投資して、なんとか存続している。
宇都宮健児氏もJR有楽町駅前で、新銀行東京を「石原さんの思いつき」と断じ、「尖閣諸島の購入もそう。思いつきの政策を都民に押しつけてはいけない」。
笹川尭氏と中松義郎氏も街頭で、石原都政からの転換を強く訴えた。新銀行東京について、笹川氏はこれまでの取材に「継続は認められない」、中松氏は「中小企業への融資という精神はいいが管理の甘さが失敗だった」と話している。
石原氏が後継者として名をあげ、29日も石原氏とJR新宿駅西口に立った猪瀬直樹氏だけ立場が異なる。「現状をさらに改善する」と事業の継続を表明している。
■原発政策
原発政策も違いが出る。都は東京電力の大株主。鮮明なのは宇都宮氏で「株主として福島や柏崎刈羽原発の廃炉を提案する」と具体策にも踏み込んだ。笹川氏と中松氏も「脱原発」のスタンスだ。
一方、猪瀬氏は「福島の原発から来ていた電力をすべて再生可能エネルギーでまかなうのは不可能」、松沢氏は「2030年の原発ゼロは簡単ではない」との立場だ。
■五輪招致
違いが見えにくいのが、石原氏が情熱を注いだ五輪招致だ。2016年は都税100億円を含む149億円をかけたが失敗。続く20年は費用を75億円に半減させ、他都市と争っている。
猪瀬氏は東京・西新宿での出陣式で「東京オリンピックを今度こそ成功させたい」。松沢、笹川、中松の3氏も五輪招致を進めるとし、宇都宮氏だけが「再検討が必要」としている。