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石原慎太郎前知事の辞職による東京都知事選が29日告示された。日本維新の会や日本未来の党の「第三極」は、首都決戦で知名度を上げ、ダブル選となる衆院選につなげる戦略を描く。既成政党は都知事選と距離を置く半面、警戒感も抱いている。
「石原さんに国のトップに立ってもらう。東京は猪瀬さん、僕は大阪。この三つの軸で日本を立て直そう」
日本維新の会代表代行の橋下徹・大阪市長は29日、JR新宿駅西口で猪瀬直樹氏の第一声に駆けつけた。横に代表の石原氏と、石原氏が知事後継に名をあげた猪瀬氏。維新が練り上げてきた戦略の一つだった。
知事辞職前から橋下氏と連絡を取り、新党結成と第三極結集のタイミングを探っていた石原氏。周辺によると、10月の辞職表明前、知事室に副知事の猪瀬氏を呼んで後継を打診。「知事選で既成政党に乗る必要はない」とクギを刺した。
「自公に過半数取らせたら結局同じこと。強力なキャスチングボートになりたい」と話す石原氏にとって、4期勝ち抜いてきた都知事選の舞台は、第三極の格好のアピールの場。自身、衆院選で比例東京ブロックから立候補する身でもある。
一方、橋下氏。虚を突かれた衆院解散で、日本維新の会は準備不足だった。首都のリーダーを13年余り務めた石原氏率いる太陽の党の合流は、東京をはじめ東日本の知名度不足を解消する手段でもあった。
維新幹部は「都知事選で石原、橋下のツインエンジンで日本を引っ張ると印象づけるメリットは大きい」と説明する。
ただ、橋下氏はこれまで、首長選で政党の相乗りを痛烈に批判してきた。橋下氏自身、昨年11月の大阪市長選では民自共相乗りの対立候補を「政策をあいまいにして手を組んだ野合、大政翼賛会」と断じた。だが今回は、石原氏を巻き込む利点の大きさの方を選んだようだ。
日本未来の党も都知事選に前向きだ。「宇都宮健児候補の支持を決定しました。石原都政に正面からぶつかっていく」。同党に合流する予定の「国民の生活が第一」で幹事長を務めた東祥三氏は、「脱原発」を掲げる宇都宮氏の第一声に立った。共産党の志位和夫委員長や社民党の福島瑞穂党首も並んだ。
小沢一郎氏が嘉田由紀子・滋賀県知事と水面下で調整し、結成にこぎ着けた日本未来の党。民主党を離れ、第三極で埋没しがちだった小沢氏にとって、生き残り策でもあった。
未来の関係者によると、衆院解散のころ、都知事選に著名人擁立を打診した知人に、小沢氏は「考えていることがある」と留保。間もなく小沢氏の「国民の生活が第一」は「脱原発」を掲げる宇都宮氏の支持を決定した。
宇都宮氏の陣営関係者は言う。「小沢さんはクリーンなイメージの人とくっつき、都知事選、衆院選と支持を広げたいのだろう」