イスラエル・エルサレム南部のオープンカフェで9日午後11時半(日本時間10日午前5時半)ごろ自爆テロが起き、少なくとも6人が死亡、約40人が負傷した。約5時間半前に起きたテルアビブ近郊の自爆テロの死者も増え、犠牲者数は両方で少なくとも計13人にのぼる。いずれもイスラム過激派ハマスの軍事部門が犯行を認め、イスラエル治安筋は軍放送に「ハマスへの殺害作戦を継続する」と述べた。
インド訪問中のシャロン首相の同行筋は、首相が日程を途中で切り上げて10日夕にも帰国するとAFP通信に語った。首相の帰国に伴って治安閣議が開かれれば、過激派に対する殺害作戦などの攻撃をさらに強化する方針を決める可能性が高い。報復攻撃が、アッバス首相の辞任に伴うパレスチナ自治政府の混乱に拍車をかけるのは確実で、中東和平のロードマップ(行程表)は大きな危機を迎えている。
エルサレム警察によると、エルサレムでの自爆テロは、実行犯が入り口の警備をすり抜けて店内に入り、自爆したという。また、地元メディアが伝える警察情報によると、テルアビブ近郊の自爆テロの実行犯は19歳のパレスチナ人少年で、かばんに入れた爆発物を持って現場で車から降り、自爆したという。犠牲者はすべて軍兵士だった。
ハマスの軍事部門がカタールの衛星テレビ、アルジャジーラに「シオニスト(イスラエル人)に借りを返すときだ」と犯行声明を寄せ、イスラエル軍が8月以来続けているハマス幹部の殺害作戦に対する報復テロと位置づけた。
(09/10 13:11)
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