イスラエルがテロ防止を目的にヨルダン川西岸に建設している「分離壁」に関し、国連総会は21日、「国際法の規定に違反する」として建設の中止を求める決議を賛成多数で採択した。144カ国が賛成し、米とイスラエルなど4カ国が反対、12カ国が棄権した。
この壁をめぐって安全保障理事会は14日、建設を違法と主張してシリアなどが提出した決議案を米国の拒否権行使で否決した。このためアラブ諸国が総会での採決を求めていた。
総会決議は安保理決議と異なり、法的強制力はなく、国際社会の意思表示にとどまる。だが総会には安保理のような、一部の国の特権的な拒否権はない。
総会は9月19日にも、安保理が米の拒否権行使で否決した、イスラエルに対して「アラファト・パレスチナ自治政府議長追放の撤回」を求める決議案とほぼ同じ内容の決議を採択している。
(10/23 00:00)
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