エルサレム中心部で29日朝、走行中の路線バスの車内で自爆テロが起き、乗客ら少なくとも10人が死亡、50人あまりが負傷した。パレスチナ自治政府アラファト議長の政治組織ファタハの武装部門「アルアクサー殉教者軍団」が犯行を認める声明をレバノンのテレビ局に出した。現場から約100メートル離れた場所には首相公邸があるが、シャロン首相は当時不在で、公邸に被害はなかった。
パレスチナ自治区ガザ市近郊では前日、イスラエル軍の侵攻でパレスチナ過激派組織「イスラム聖戦」のメンバーや市民ら少なくとも8人が死亡している。
イスラエルとパレスチナ自治区ガザ境界のエレズ検問所付近で今月14日、イスラエル兵らを標的にしたパレスチナ女性による自爆テロがあったが、一般市民を巻き込むテロがイスラエルで起きたのは昨年12月25日以来ほぼ1カ月ぶり。
イスラエル政府高官は事件後、過激派に対する掃討作戦の強化を示唆、双方による暴力の応酬が激化する可能性が高まっている。
イスラエル放送などによると、バスは近くの病院で夜勤を終えた職員ら通勤客や学生らで混雑していたという。
一方、イスラエル軍は29日、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの間で今月成立した捕虜らの交換合意に基づき、拘束しているパレスチナ人ら429人の釈放を予定通り実施したと発表した。
(01/29 20:49)
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