ジュネーブで開かれている国連人権委員会(53カ国で構成)は24日、イスラム過激派ハマスの精神的指導者ヤシン師をイスラエル軍が殺害したことを受けてイスラエル占領地問題を討議する特別会合を開催、イスラエル非難決議を賛成31、反対2、棄権18で採択した。
決議は、イスラム諸国会議機構(OIC)を代表するパキスタンなどが提出した。ヤシン師の殺害が戦時における民間人保護を定めたジュネーブ条約に違反するとしてイスラエルの行為を非難。また、「イスラエル占領軍による政治的指導者の虐殺」が占領地で新たな暴力の連鎖を生むことに深刻な懸念を表明し、イスラエルに国際人道法を守るよう求めている。
反対したのは米国とオーストラリア。アラブ諸国のほか、中国、ロシアと多くの途上国が賛成した。日本は欧州諸国などとともに棄権した。イスラエルは人権委員会の構成国でないため、投票権がない。採択前に演説した日本政府代表は、イスラエルの行為を「正当化できない」などと述べて非難した。
(03/25 00:59)
|