ブッシュ米大統領とブレア英首相が16日にホワイトハウスで開いた米英首脳会談では、イスラエルとパレスチナの中東和平問題も議題となり、イスラエルが提案しているガザ全域とヨルダン川西岸の一部からの入植地撤退案を支持する考えで一致した。
14日のシャロン・イスラエル首相との会談で、ブッシュ大統領は、西岸の入植地の存続容認につながる同提案を支持し、パレスチナ、アラブ諸国が強く反発している。ブッシュ大統領は16日の共同記者会見で同提案について「パレスチナ国家建設を支援するため国際社会が協力する機会を作り出すものだ」と述べ、米国が主導する2国家共存の和平構想「行程表」の進展のきっかけになるとの楽観的な見通しを表明した。
ブレア首相は「イスラエルの撤退案を歓迎する」と述べてブッシュ大統領の姿勢を支持したうえで、パレスチナ自治政府に対する経済、政治、治安面での支援を協議するため、国連、米、ロシア、欧州連合(EU)による4者協議の早期開催を呼びかけた。米国務省によると、同協議は28日にベルリンで開かれる。
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〈中東和平「行程表」〉 パレスチナ国家の独立を軸に半世紀に及ぶ中東紛争の最終的な解決を目指す米主導の和平構想。昨年6月にブッシュ大統領が中東を訪問し、パレスチナ、イスラエル双方に実施を求めたが、パレスチナ過激派のテロとイスラエルの軍事行動の応酬で事実上、凍結状態にある。イスラエルの入植地撤退案はパレスチナとの協議を経ない一方的な措置だが、ブッシュ大統領は「行程表の枠内」とみて歓迎する意向を示している。
(04/17 12:28)
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