サウジアラビアの紅海沿岸の工業都市ヤンブー市内で1日に起きた武装グループの乱射事件で、サウジ内務省は米国人と英国人各2人、オーストラリア人1人の計5人の死亡が確認されたと発表した。武装グループは石油関連の外国企業や米国系ファストフード店を狙って銃撃しており、外国人を標的にしたテロの可能性が高い。サウジで外国企業が直接テロ攻撃を受けたのは初めて。国際テロ組織アルカイダの関与が指摘されている。
サウジ内務省によると、武装グループは4人組で、車で移動しながら銃の乱射を続けた。スイスに拠点を置く石油化学関連企業が入居するビルでは手当たり次第に発砲したという。武装グループは全員が死亡、ロイター通信はサウジ警官2人も死亡したと報じた。カナダ人ら外国人数人を含む30〜50人が負傷したとの情報もある。
現地からの報道によると、殺害された外国人のうち、1人の遺体が車で路上を引きずられるのが目撃された。銃撃事件との関連は不明だが、同じころ、市内のインターナショナルスクールにパイプ爆弾が投げ込まれた。
武装グループ4人のうち3人は治安当局がテロリストとして手配していたという。
サウジでは外国人を狙ったテロが相次ぎ、昨年5月と11月に外国人居住区で起きた自爆テロでは計40人以上が死亡。先月21日にはサウジ内務省の施設を狙った自爆テロがあった。サウジ治安当局はいずれもアルカイダが関与しているとみて、イスラム系武装組織に対する大規模な掃討作戦を続けている。
(05/02 18:53)
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