ガザ撤退がリクードの党員投票で否決されたことは、撤退の実現により和平の機運を盛り上げて米国主導の中東和平構想ロードマップ(行程表)を再開させようとしていたブッシュ米政権にとっても大きな誤算だ。
ホワイトハウスは2日の声明で「(撤退案を支持する)我々の見解は変わらない。首相、イスラエル政府と計画をどうやって前進させるか協議する」と表明し、シャロン首相の計画を引き続き支持する考えを示した。党員投票の結果に拘束力はないことから、今後も撤退案の実現を目指し、イスラエル側と協力する考えを示したものだ。
米政府は4日にニューヨークで開かれる中東和平促進のための米ロ、国連、欧州連合(EU)による4者協議にパウエル国務長官を派遣するほか、ブッシュ大統領がヨルダンのアブドラ国王と6日に会談し、撤退実現の可能性を探る方針だ。
ただ、西岸地区と境界を接するヨルダンをはじめアラブ諸国は、ブッシュ大統領が4月にシャロン首相と会談した際、西岸の一部入植地の存続を容認する考えを示したことに強く反発している。イスラエル与党による今回の否決で、和平の機運を高めるのはさらに難しくなったといえる。
(05/03 19:46)
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