ブッシュ米大統領は7日、米国が主導する中東和平ロードマップ(行程表)に基づいて05年までに中東紛争を解決し、パレスチナ国家を樹立するという方針が「現実的ではない」との認識を明らかにした。エジプト紙アルアハラムとの会見で語った。行程表の提唱者がみずから目標達成の先送りを表明した形だ。
会見の中で「いまもまだパレスチナ国家の実現が可能と信じているのか」と問われた大統領は「05年は難しいだろう。05年はすぐそこまで来ている」と答えた。
さらに「言い訳はしたくないが、05年というのは(発表した)2年前より現実的ではなくなっている」と指摘。「私たちは(パレスチナ)国家の樹立をできるだけ急がなければならない」と述べながらも、02年6月に打ち出した和平構想の実現が当初の目標より遅れるとの見通しを示した。
行程表はイスラエルとパレスチナの「2国家の平和的共存」を原則に米国、ロシア、欧州連合(EU)、国連の4者が共同で内容を策定した。イスラエルとパレスチナの双方が03年6月の首脳会談で履行を表明したが、暴力の応酬で実現が危ぶまれている。
(05/08 21:11)
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