パレスチナ自治区ガザ北部のガザ市で11日、侵攻したイスラエル軍と武装パレスチナ人の間で戦闘が起き、軍報道官とパレスチナ自治政府筋によるとイスラエル兵6人とパレスチナ人9人の計15人が死亡した。3、4月にイスラム過激派ハマスの精神的指導者ヤシン師とその後継者ランティシ氏がガザ市でイスラエル軍に殺害されて以来、最大規模の衝突になった。
イスラエルのシャロン首相は、兵士に02年11月以来最多の犠牲が出たことを受けて、同日夜に治安閣議を開くことを決めた。報復作戦が検討される見込みで、新たな過激派幹部の殺害作戦やアラファト自治政府議長への実力行使など、イスラエルの対パレスチナ攻撃がさらにエスカレートする危険が高まっている。
イスラエル軍はガザ撤退前に過激派の基盤を壊滅させることを目指し掃討作戦を強化しているが、撤退後のガザの支配権確立をにらむハマスはガザ内での攻撃に拍車をかけ、ロケット弾でイスラエルやユダヤ人入植地への攻撃を続けている。
軍のこの日の侵攻は、ロケット弾を製造する拠点を破壊する狙いで、地上部隊との衝突でパレスチナ人7人が死亡、午後には武装ヘリコプターが車にミサイルを発射し、2人が死亡した。自治政府筋によると負傷者は約100人にのぼる。
また、軍地上部隊のうち、兵員輸送車両1両が同日早朝、道路上に仕掛けられた爆弾で爆破され、兵士6人が死亡した。ハマス軍事部門が犯行を認める声明を出した。
(05/11 22:45)
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