|
パリ郊外の軍病院に入院しているパレスチナ自治政府のアラファト議長(75)の容体について、自治政府筋は4日夜、「脳死といえる状態だ」と朝日新聞に明らかにした。AFP通信も在仏医療関係者の話として「脳死状態」と伝えた。パレスチナ指導部は緊急会合を開き、「アラファト後」の暫定指導体制に向けた協議を始めた。自治区ではイスラエルとパレスチナ双方の治安当局が厳戒態勢を敷いている。
同通信が伝えた医療関係者の話によると、議長は深い昏睡(こんすい)状態に陥っており、生命維持装置で数日〜数週間の延命は可能だが、回復する見込みはないとしている。自治政府筋は「あとは医師団が人工呼吸器を外すかどうか判断するだけだ」と述べた。
一方、パレスチナ解放機構(PLO)のシャヒド駐仏代表は5日朝(日本時間同日午後)、「脳死」との情報を強く否定したうえ「議長は回復も可能な昏睡(こんすい)状態で、生と死の間にある」と語った。情報はなお入り乱れている。
今後のパレスチナ指導部の体制について、ロイター通信は自治政府幹部の話として、これまでアラファト氏が一手に握ってきた財政と治安権限をクレイ首相が引き継ぐことで合意したと伝えた。自治政府は今後、クレイ首相、アッバス前首相ら3人の集団指導体制を組むとの見方がある。
議長は3日から断続的に意識を失うなど容体が急変、集中治療室に移されていた。4日午後、イスラエルのテレビ、チャンネル2がパリ発の情報として「議長は死亡状態」と伝えたが、同日夕に記者会見した軍病院の報道官は「病状は複雑になったが、死んでいない」と死亡説を否定した。
議長が死亡すれば、指導部内や組織間の権力争いや、暴動が起きる可能性もある。イスラエル軍は自治区に駐留する部隊に厳戒を指示。自治政府も治安当局に厳戒を命じた。
(11/05 18:23)
|