|
フランスを訪問したパレスチナ自治政府のシャース外相は9日夕、記者会見し、パリ郊外の病院に入院中のアラファト議長(75)の容体について「状況は深刻だが、脳、心臓、肺は正常に機能している」と述べた。議長が依然、存命であることを強調することで、生死をめぐる情報の混乱に歯止めをかけようとしたとみられる。
外相のほか、クレイ首相、アッバス前首相らも訪問した。9日午後、議長が入院するペルシー軍病院で医師団から説明を受けた後、クレイ首相だけが集中治療室に入って直接、面会した。首相らは同日夜、パレスチナに戻った。
シャース外相によると、議長は3日から昏睡(こんすい)に陥り、8日に状態が悪化した。原因はいぜん不明だが、当初指摘された悪性腫瘍(しゅよう)やがんではないという。外相は医師団の説明として、「衛生状態も換気も劣悪な狭い議長府に3年間閉じこもっていたことや、不十分な栄養摂取のために、消化系と血液の双方に異常が生じ、連鎖的に容体悪化を招いた可能性がある」と述べた。
8日の容体悪化を受けて、一部で議長の死亡情報が広がっていたが、外相は「今にも死亡、ないし快復するかのようなうわさは好ましくない」と強調。情報の錯綜(さくそう)で自治区内に動揺が広がったり、自治政府に対する信頼が傷ついたりすることは避けたいとの意向をのぞかせた。生命維持装置の有無については「一般の昏睡患者に必要な装置はある」と述べ、装着されていることを示唆した。脳出血を起こしているとの情報には「内出血が起きやすい状況だが、脳は機能している」と語った。
クレイ首相らの訪問をめぐっては、議長のソウハ夫人が「(議長を)生きたまま葬るつもりだ」と批判したが、外相は「夫人は医師団との面会に協力してくれ我々は満足している。(発言は)精神的につらい状況から出た突発的なもの」と話し、確執を否定した。
(11/10 11:18)
|