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世界が集う環境観測村 ノルウェー北のスバーバル諸島

2006年07月19日

 ノルウェーの北、バレンツ海とグリーンランド海の間に浮かぶスバールバル諸島は、地球環境のセンサーだ。日本など各国が自由に観測・研究できる拠点を置いて、北極圏から地球環境の変動の兆しを追いかけている。

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世界にもまれな国際観測村、ニーオルスン=スピッツベルゲン島で

 諸島最大のスピッツベルゲン島は九州ほどの広さ。9カ国、14の観測基地があるニーオルスンは、世界にまれな国際観測村だ。各国の研究者が大気の二酸化炭素や汚染物質の観測、氷河の後退や動植物の観察などに取り組む。極地科学、地球環境研究の最前線だ。

 現在、この村には各国の研究者約100人がいる。村唯一のホテルは、観測村を運営する会社が経営する。研究者全員の共同食堂では、研究者の国際交流も進む。「専門外の情報も手に入る。こんな場所は世界のどこにもない」と、1カ月の予定で植生研究に来た国立極地研究所北極観測センター助手、内田雅己さん(37)。

 諸島は、第1次世界大戦後に結ばれたスバールバル条約で統治される特殊な地域だ。ノルウェーの主権が認められているが、条約締約国の国民はノルウェー国民と同じ権利を持つ。戦勝国だった日本は、他の国とともに自由な研究活動が保障されている。

 観測村構想は90年にノルウェーが中心となって提案。日本は91年に観測基地を置いた。締約国は当初8カ国だったが次第に増え、現在は39カ国に上る。21世紀に入って韓国、中国も進出した。

 島の中心・ロングイヤービーンに、ノルウェーの4国立大が共同で設置したスバールバル大(UNIS)がある。生物、地質、地球物理、工学などの学生を世界から受け入れ、昨年は学生約330人のうち約180人がノルウェー以外の国から来た。講師陣も国際色豊かで、「ここで国際協力による研究が進めば最高」とUNIS研究コーディネーターのモニカ・スンさんは期待する。

 ノルウェー政府は6月、島に世界の食用植物の種を保存する「種子バンク」構想を発表。200万種の種子を集め始めた。炭鉱跡で温度や湿度を管理し、貯蔵する。総督府のルーネ・ベルグストリーム環境部長(49)は「環境保護の島の象徴的な施設にしたい」と語る。

 島にはホッキョクグマが出没し、フィールドでは銃の携帯が義務づけられる。研究者もライフルを背負う。自然の危険と隣り合わせだが、観光客は増える一方だ。この5年で倍増し、昨年は約2万人が訪れた。

 ルーネさんは「観光と国際化の両立は課題」と言いつつ、「自然を守るには収入も必要。豊富な自然資源に比べれば、観光客は、もう少し増えても大丈夫」と笑った。

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