日本、役割どう示す(国際観測村の島から5)
2006年07月28日
スバールバルの中心部・ロングイヤービーンの町に、しゃれた3階建ての建物がある。ノルウェーの四つの国立大で設立した「スバールバル大」(UNIS)だ。
 スバールバル大には、寒冷地の生物や環境などを勉強する学生が、20カ国以上から集まっている=スピッツベルゲン島ロングイヤービーンで
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 研究者が集まるニーオルスンの町並み=スピッツベルゲン島で
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 スバールバル諸島
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学生は国際色豊かだ。昨年は331人中、178人がノルウェー以外の出身だった。欧州各国はもちろん、米国、カナダ、日本、南アフリカ、パレスチナからも留学生が来た。講師陣も世界各国から、第一線の研究者が毎年100人ほど招かれている。
「午前中に野外で試料を集め、午後には研究室で調べられる。こんな恵まれた環境は他にない」と同大の研究コーディネーター、モニカ・スンさん。地質学の研究者。約10年前から毎年、島に来ている。今春からこの職を得て住み着いた。
約100キロ北西の国際観測村ニーオルスン。村を見おろすツェッペリン山の頂にノルウェー極地研究所の観測小屋があり、大気中の二酸化炭素や大気汚染物質を調べている。スウェーデンや日本の大気観測用試料も、同研究所の技師がここで集めている。
観測村にあるドイツの基地では毎日、定時に気象観測用ゾンデ(測定器)を打ち上げる。世界約2000カ所で同時刻に行っている作業を、この島ではドイツが担う。
海岸部に昨年6月、海の生物の生態調査ができる「北極マリンラボ」が完成した。建物から海に直接入っていける場所にあるのが特徴だ。
観測村を運営するキングスベイ社の科学アドバイザー、キャシー・ダラさんは「10年、必要性を訴えてきた施設です」と喜ぶ。設立はノルウェー極地研とUNISが中心となり、欧州4カ国と米国、韓国、中国が資金を出して参加した。そこに日本の名前はなかった。
日本の基地は町の外れにある。他国の基地と行き交うには地の利があまりよくない。管理する国立極地研究所は南極に力点を置いて、北極研究には独自予算がつかなくなっている。
日本はUNISの一角に4畳ほどの部屋を1室、持つ。時おり研究者が拠点として使うが、常駐にはほど遠い。
地球環境を監視するセンサーといえる国際観測村で、国際交流とともに研究に取り組める好環境をどう生かすか。北極域の島で、日本の存在感が問われている。
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