スイス・ジュネーブの国連欧州本部を訪れる「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」のメンバー5人と、同行する斎木昭隆・外務省参事官ら政府関係者が20日午前、成田空港を出発した。22日、国連人権委員会強制的失踪(しっそう)作業部会のヒアリングで、拉致問題の現状と解決への協力を訴える。
出発前に一行は空港で記者会見した。有本恵子さん(失跡当時23)の母嘉代子さん(77)は「20年の運動でやっと道が開けた。私たちは高齢化し、後がない。元気なうちにわが子を取り戻したい」と語った。増元るみ子さん(同24)の姉平野フミ子さん(53)は「国際社会に、私たち被害者の生の声を聞いていただくことが解決の力になる」と訴えた。
昨年11月、同作業部会で拉致問題について説明した斎木参事官は「国連人権委員会が北朝鮮への非難決議を採択した直後であり、政府が一体となって家族とともに国際世論を喚起する重要な意味がある」と述べた。
このほかに横田めぐみさん(同13)の母早紀江さん(67)と弟拓也さん(34)、田口八重子さん(同22)の兄飯塚繁雄さん(64)が出発した。中山恭子内閣官房参与が現地で合流する。
(04/20 16:30)
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