小泉首相は30日未明(日本時間同日朝)、ロシアのサンクトペテルブルクに到着した。首相は31日に予定される日中首脳会談について、「大変大きな意味を持つもの」と指摘。北朝鮮の核・拉致問題の解決に向けて、初顔合わせとなる胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席に直接協力を求める考えを明らかにした。また仏エビアン・サミット(主要国首脳会議)でも、拉致問題解決を強く訴える考えを示した。
当地に向かう政府専用機内で記者団に語った。
首相は日中首脳会談について、「胡主席とは初めての会談になるが、(今年は)日中平和友好条約締結25周年という節目の年でもある。会談は大変大きな意味を持つものと思っている。今後、2国間のみならず、国際舞台での協力もしていけるのではないか」と語った。特に北朝鮮問題を挙げて「中国の協力を求めていきたい」と強調。新型肺炎SARS対策でも協力を強める考えを示した。
サンクトペテルブルク訪問後に訪れるエビアンでのサミットについては、「一番強調すべき課題は、国際協調体制の重要性だ」と述べ、イラク戦争で亀裂が入った欧米間の修復を最も重視する考えを示した。
日本としては、「北朝鮮問題で、各国首脳間では核問題に焦点があてられがちだが、日本には同じように拉致問題が重要だということを何度も説明してきた。今回も同じ方針で臨みたい」と述べた。さらに「平和的・外交的解決を追求することについても、サミットの場で、日本の基本姿勢が理解されるよう説明していきたい」と語った。
首相は30日午前(日本時間同日午後)には、プーチン・ロシア大統領と会談、北朝鮮問題などを話し合う予定だ。
(05/30 10:21)
|