「一歩前進だ」。エビアン・サミットの議長総括に北朝鮮の拉致が盛り込まれたことについて、3日、拉致被害者やその家族からは評価する声が相次いだ。「国際的認知は得た。次は日本政府がメッセージを発する番だ」との注文もついた。
拉致被害者では2人がコメントを出した。
新潟県柏崎市の蓮池薫さん(45)は「サミットの場で拉致問題の平和的手段による包括的解決が支持されたことを力強く思います。今後、日本政府が拉致問題の早期解決のために全力で取り組んでくれるものと強く信じます」と文書を出した。
福井県小浜市の地村保志さん(48)は、「国際協調の重要性を共有できたことは心強い。解決のための国際協力を広げる大きな意義がある。日本政府の積極的な対応に期待したい」と文書で発表した。
一方、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)代表の横田滋さん(70)は3日夕記者会見し、「拉致問題が盛り込まれたのは各国の結束が強まったということで、解決への大きな力になる。国際世論を高める意味で、意義があった。平和的解決が一番望ましいが、これまでの北朝鮮のやり方を見ると対話だけでうまくいくとも考えられず、圧力も必要になる」と話した。
(06/03 23:52)
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