北朝鮮への燃料・食糧支援などに取り組む非政府組織(NGO)「レインボーブリッヂ」の小坂浩彰事務局長(50)が平壌から持ち帰った拉致被害者の子どもたちの手紙と写真が、2日、新潟県の蓮池薫さん(45)、祐木子さん(47)夫妻、曽我ひとみさん(44)、福井県の地村保志さん(48)、富貴恵さん(48)夫妻にそれぞれ届けられた。いずれも本人と確認された。この日午前、NGOが政府の拉致被害者・家族支援室に渡し、同室職員らが蓮池さんたちに届けた。
手紙は計3通で、蓮池さん夫妻、地村さん夫妻あてに1通ずつ、曽我さんあてに1通。写真は全部で20枚弱。
支援室員によると、2日夕、新潟県柏崎市の自宅で受け取った薫さんはその場で、写真の入った封筒を開け、「手紙も写真も本人に間違いない」と確認。熱心に見入っていたという。曽我さんと地村さん夫妻も同夜、本人と確認した。
小坂氏が今回「北朝鮮で会った」としたのは、蓮池さんの長女(21)、長男(18)、地村さんの長女(21)と長男(19)、曽我さんの長女(20)と次女(18)の計6人。いずれも大学生とみられる。
地村さんの次男(16)には会わなかったといい、「林間学校に行っている」と説明されたという。
支援室によると、写真には、蓮池さん夫妻と地村さん夫妻の子供4人が一緒に写っているものや、曽我さんの娘2人が写っているものなどがあるという。
蓮池さんと地村さん夫妻にとって、離ればなれになってからのわが子の消息を写真や手紙で確認するのは、昨年10月15日に帰国して以来だ。
拉致被害者5人を北朝鮮に迎えに行った際、空港で曽我さんの娘たちと会った中山恭子内閣官房参与は「写真は本物であると考えて間違いない。とても元気な様子だった」と語った。
支援室などによると、この日朝7時半ごろ、レインボーブリッヂ関係者から「手紙と写真を託したい」と連絡があった。その後、小坂氏の代理人が支援室を訪れ、手紙と写真を渡したという。
中山参与ら政府関係者は先月29日深夜、平壌から帰国したばかりの小坂氏から連絡を受け、写真を見せられた。その時は「5人に直接手渡す」と主張する小坂氏と話し合いがつかず、小坂氏が持ち帰っていた。
(08/02 21:55)
|