小泉首相は11日、中国の李肇星(リー・チャオシン)外相と首相官邸で会談し、北朝鮮の核開発問題について日中両国が平和的解決を目ざす方針を確認した。首相は「核開発、ミサイル、拉致問題を包括的に解決し、日朝国交正常化する。正常化は、中国はじめ周辺国に有意義だ」との考えを伝え、李外相も「日本の拉致問題の被害者の方々に中国政府としての同情の念を表したい」と述べ、拉致問題解決の重要性に理解を示した。
これに先立つ日中外相会談では、川口外相が拉致問題について「核開発問題の解決と並んで重要で、日朝国交正常化の大前提。中国側の理解と支持、北朝鮮への働きかけをお願いしたい」と要望。李外相は「日本国内、国民にとってきわめて大きな問題であることを理解している」と応じた。
小泉首相の靖国神社参拝をきっかけに中断している首脳の相互訪問については、川口外相が中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相の早期訪日を要請。李外相は「日本の指導者による靖国神社参拝により困難がもたらされている」と指摘し、中国側がこれまで相互訪問の条件としてきた「良い雰囲気」作りの上で靖国神社参拝が大きな障害となっていることを強調した。
ただ、李外相は、首相に対しては「大変重要であり、努力して雰囲気を整えたい」などと述べるにとどめ、靖国神社参拝には言及しなかった。
李外相は、川口外相に対して、日本国民が中国を短期訪問する場合の査証(ビザ)を9月1日から免除することを明らかにした。査証免除は、観光、商用目的で15日以内の中国滞在が対象となる見通し。
(08/11 20:03)
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