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北朝鮮が10月末に突然、「亡命申請してきた」と明らかにした日本人女性は、その後、大阪市内の元飲食店員(29)の可能性が強まっている。平壌から知人あてに届いた女性の手紙には、平壌のホテルで暮らし、「日本語講師をする」などと書かれていた。最近は不法入国者として当局に行動を制限されているとみられる。知人は身を案じ、前例のないケースに、外務省も苦慮している。
北朝鮮側が先月27日に、北京の日本大使館に通報してきた内容によると、女性は第三国を観光中に北朝鮮に入国し、亡命を申請した。北朝鮮が発表したカタカナの氏名が一致することや、4月に中国・瀋陽の総領事館に「北朝鮮に亡命したい」と相談してきた女性の年格好などから、元飲食店員の女性とみられている。
知人らによると、女性は大阪市内のワンルームマンションに住んでいた。周囲には2年ほど前から、「北朝鮮で暮らしてみたい」と話していた。去年6月には北朝鮮を観光で約1週間訪れ、平壌のアリラン祭典や開城を見学したという。
以前働いていた飲食店の経営者あてに今年10月になって平壌から計5通の手紙が届いている。
手紙によると、女性は今年8月19日ごろ中国に向かい、8月24日に北朝鮮入り。27日から平壌のホテルにいるようだ。「女性案内員トンムと24時間一緒です」と書き、朝夕ホテル周辺を散歩するほかは、部屋でテレビを見るなどして過ごしているという。
1通目の9月21日付の手紙には「こちらで朝鮮語の学校へ1年程行き、その後、日朝に関する翻訳や日本語講師をする予定です」と、長期滞在をうかがわせる言葉がつづられていた。23日付では、便箋(びんせん)や薬など日用品の送付を頼んできた。
ところが、10月5日付では「今月2日、こちらの方に日本へ帰りたいことを伝えました。しかし、どうなるかわかりません。今私が北朝鮮にいることを日本政府は知っているのかどうか」などと打ち明けていた。
手紙には「出入国に関するお仕事をされている先生方は皆、とても親切で優しいです」(9月23日付)などの表現があるが、入国の経緯や亡命申請には触れていない。
手紙は10月5日付を最後に途絶えた。
一方、アーレフ(オウム真理教から改称)は、01年10月に脱会届を出した同名の元信徒の女性がいることを明らかにしている。女性は教団関係者に「公安関係者から、教団の内情についてスパイ行為を強要されていた」と話していたという。
元飲食店員の女性は周囲に「もう日本にはいたくない」などと吐露していたというが、「亡命」の真意は何だったのか不明だ。
外務省によると、日本人が北朝鮮に亡命を申請したケースは、よど号事件の実行犯をのぞいて前例がない。同省は北京の日本大使館を通じて北朝鮮に本人照会を続けているが、6日現在、連絡はない。同省は「本人確認ができなければ日本政府としての保護など手続きを進めようがなく困っている」と話している。
(11/07 03:01)
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