内閣官房で拉致問題を担当する事務官が1月中旬、極秘に平壌を訪問し、北朝鮮当局者に拉致問題の打開を働きかけていたことが3日、複数の関係者の話で明らかになった。同じ時期に外務省職員らも平壌入りし、拉致問題に関する政府間交渉を呼びかけていた。北朝鮮が日本政府職員の訪朝を相次いで受け入れたことについて、政府内には「拉致問題に関する北朝鮮の変化の表れではないか」と受け止める見方も出ている。
この事務官は内閣官房に所属。「拉致被害者・家族支援室」の仕事もしており、拉致問題を担当する中山恭子内閣官房参与に近い立場にある。また、自民党の安倍晋三幹事長が官房副長官時代に秘書官を務めた。
北朝鮮は最近、拉致議連など非政府間のルートを通じて「被害者5人が平壌に迎えに来れば、子供らを帰す」と伝えてきていた。また、麻薬密輸容疑で拘束されている日本人との面会を認め、外務省北東アジア課の首席事務官ら4人が1月13日から17日まで平壌を訪問。首席事務官らは北朝鮮外務省の日本担当者に拉致問題に関する政府間協議を呼びかけたが、「部内でしかるべく報告する」との返事にとどまったとされる。
(02/04 03:05)
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