拉致問題をめぐる日本と北朝鮮の政府間交渉が、今月中にも開かれる見通しになった。複数の首相官邸、外務省関係者が明らかにした。日本政府は、中国・大連で北朝鮮政府当局者と接触した山崎拓・前自民党副総裁らの動きとは別に、政府間交渉の早期開催を北朝鮮に働きかけてきた。政府は、北朝鮮側が山崎氏に拉致問題の打開に前向きな姿勢を伝えたことを受け、その意図を政府間で確認したい考えだ。
複数の政府関係者によると、外務省は山崎氏らが北朝鮮と接触する前から、核問題をめぐる6者協議の次席代表級による作業部会の開催前をメドに政府間交渉を開くよう北京の大使館などを通じて北朝鮮と調整してきた。
中国など6者協議関係国は作業部会の月内開催をめざして北朝鮮への働きかけを強めており、米サンフランシスコで8日まで開かれた日米韓の局長級非公式協議でも早期開催で一致した。日朝政府間交渉はその場を利用するか、その直前に行われる見通しだ。外務省は、北朝鮮が作業部会の日程をにらみながら近く外交ルートで正式に政府間交渉の受け入れを回答してくる公算が大きいとみている。
政府は作業部会に出席する斎木昭隆・外務省アジア大洋州局審議官の出席を想定している。
政府は2月末、北京での6者協議の際に北朝鮮側と協議し、政府間交渉の継続で一致している。
(04/10 06:21)
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