曽我ひとみさんと夫のジェンキンスさんは16日午前(日本時間同午後)、北朝鮮から同行してきた担当者と面会した。夫妻は一家4人で日本に行く意思を伝え、北朝鮮側も受け入れた。
面会はジェンキンスさんが希望し、午前11時15分から35分間、曽我さん一家が宿泊しているジャカルタ中心部のホテルで行われた。
日本政府関係者によると、ジェンキンスさんは「4人で日本に行くことにした」と北朝鮮側に伝え、これまで生活の面倒をみてくれたことへの礼を述べた。また、北朝鮮に残した電化製品の配分先を記したメモを手渡した。
これに対し、北朝鮮側は「一家4人の決定を尊重する」とし、ジェンキンスさんの健康を気遣った。北朝鮮の担当者とジェンキンスさんが涙を流して肩を抱き合うなど、穏やかな雰囲気だったという。
面会後、北朝鮮同行者の一人のカン・ドンゴン外務省研究員は「我々も家族が一緒に暮らすことを願っていた。家族の意思を尊重する。一日も早くジェンキンスさんが健康を回復されることを願っている」とするコメントを読み上げた。
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同行している日本政府関係者は、ジェンキンスさんの健康状態について「ただちに生命に影響はしないが、重症化も懸念される。その場合、長時間の航空機搭乗もできなくなる恐れがあり、夫妻の了承を得て、日本へ移ってもらうことになった」と述べた。
また「体調が悪そうだというのは素人目にもわかる。この1週間で元気がなくなり、部屋の中もそろりと歩いている。つえもついている」と述べた。9日のジャカルタ到着当時に確かな足取りで歩いていたことについては「気が張っていたと思う。空港やホテルのロビーなど、カメラの前では緊張し、元気そうにふるまっていたが、部屋に戻るとぐったりしていた」と説明した。
(07/16 19:18)
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