北朝鮮による拉致を調べている民間団体「特定失踪(しっそう)者問題調査会」は29日、「拉致の可能性が完全には否定できない」とする特定失踪者2人の名前を公開した。また、「拉致の疑いが濃い」とする失踪者に新たに3人を加え、計31人になったと発表した。
公開した2人は、69年に東京都渋谷区の自宅アパートを出て失踪した大学受験生上田英司さん(当時20)▽83年に京都府舞鶴市沖で行方不明になった漁業松本重行さん(同48)。家族が公開に同意した。
「拉致の疑いが濃い」とされた3人は、60年に秋田市内の寮から外出して失踪した看護学校生木村かほるさん(同21)▽65年に「編み物教室に行く」と言って東京都北区の自宅を出ていなくなった家事手伝い坂本とし子さん(同22)▽72年に渋谷区の自宅アパートを出たまま行方不明の区職員生島孝子さん(同31)。「北朝鮮での目撃証言がある」などの理由から繰り上げた。
荒木和博・調査会代表は「政府は31人を新たな拉致被害者に認定し、北朝鮮に安否確認を求めてほしい」と話した。
(07/29 23:04)
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