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拉致被害者曽我ひとみさん(45)の夫チャールズ・ロバート・ジェンキンスさん(64)は11日午前、入院先の東京女子医大病院(東京都新宿区)を退院し、在日米陸軍基地「キャンプ座間」(神奈川県)にひとみさんら家族を伴い任意出頭した。脱走などの罪で米軍事司法制度にもとづく調査審問や軍法会議に臨む。実刑判決を避けて日本での永住を目指すため、米軍当局との間で司法取引をへて「裁判前合意」を結び、「不名誉除隊」などの形で決着するとの見方が強い。
一家を乗せたワゴン車は11日午前10時45分ごろにキャンプ座間に到着した。在日米陸軍広報によると、ジェンキンスさんは応対した陸軍憲兵隊長のポール・ニガラ中佐に敬礼しながら「ジェンキンス軍曹であります。ただいま出頭しました」と英語で述べた。中佐は「あなたはこれより米陸軍の指揮下に入ります。あなたと家族はこれより、いかなるときも敬意と尊厳をもって扱われることを保証します」と話した。
法的手続きは週明けから始まり、早ければ数週間で結論が出るとみられる。
ジェンキンスさんは65年1月に在韓米軍から軍事境界線を越えて北朝鮮入りした。米軍からは脱走、同教唆、利敵行為、忠誠放棄の奨励、の四つの罪で訴追されている。現在は、在日米陸軍所属の軍曹として扱われている。
ジェンキンスさんは11日午前9時過ぎ、ひとみさんと長女美花さん(21)、次女ブリンダさん(19)とともにワゴンハイヤーで病院を出た。ひとみさんは午前7時前、滞在していたホテルを出て病院に向かう際、報道陣に「一日でも早く4人で佐渡に行って暮らしたいと思います」と話した。
今年5月22日に再訪朝した小泉首相から日本行きを説得された際、ジェンキンスさんは「行けば米軍に訴追される」として日本行きを拒んだ。7月9日には娘2人とともに米国との犯罪人引き渡し条約がないインドネシア・ジャカルタに渡り、1年9カ月ぶりにひとみさんと再会。同18日に病気治療を理由に一家で来日・帰国し、そのまま東京女子医大病院に入院していた。
78年に拉致され北朝鮮に来たひとみさんと80年8月に結婚。02年10月にひとみさんが24年ぶりに帰国した際は平壌の空港で見送った。
ジェンキンスさんの弁護にあたる在韓米軍所属の法務官ジェームズ・カルプ大尉も11日午前にキャンプ座間入りした。大尉とは入院後に少なくとも7回面会し、軍事法廷にどう対処するかの打ち合わせを重ねた。9月1日には声明を発表、日本国民や政府への謝意を述べるとともに、一家4人でそろってキャンプ座間に任意出頭するとの意向を表明していた。
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〈裁判前合意〉軍法会議が開かれる前に、米軍当局と訴追された者との間で結ばれる合意。有罪を認める代わりに刑を減軽する司法取引の結果、結ばれる。ジェンキンスさんの場合、罪を認め、米軍に北朝鮮の情報を提供する代わりに、「不名誉除隊」となるとの見方が強い。懲戒免職にあたり、恩給を受ける権利を剥奪(はくだつ)される。
(09/11 11:54)
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