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一筋の期待。そして落胆。拉致被害者の家族は何度、この思いを味わったことだろう。日本人拉致問題で、日本側代表団が15日に北朝鮮から持ち帰った安否不明者についての「物証」は、どれも生存に否定的なものばかりだった。拉致被害者家族連絡会(家族会)は、代表団らの努力を評価しつつ、無念さと深い悲しみを言葉にした。
15日は、27年前に横田めぐみさんが拉致された日だった。東京都港区の友愛会館の記者会見で、家族会のメンバーの最初に話した父の滋さん(72)は感情的な表現を使わず、用意した資料に沿って、政府代表団からの説明内容を語った。北朝鮮から持ち帰っためぐみさんのものとされる遺骨については「鑑定結果が出れば、すべてがわかる」と穏やかに話した。
滋さんの妻早紀江さん(68)は「死亡通知をそのままで色づけされたものが出てくるのでは、と思っていたが、やっぱりそうだった」。一方、新たな写真については「私たちが知らないめぐみの姿を見て、こんなにしていたんだなあ、と思わず涙が出てきた」と話した。
めぐみさんの弟拓也さん(36)は14日が父滋さんの誕生日だったことにふれ「(よい情報を)父への誕生日プレゼントにしたかったが、落胆してしまったというのが本音」と悔しさをにじませた。哲也さん(36)も「姉の写真を見て涙してしまった。すべてのことが明らかになるまで戦い続ける」。弟2人の話を聞いていた滋さんの目に、うっすらと涙が浮かんだ。
有本恵子さんの母嘉代子さん(78)は「この交渉にあたる人は大変だと思う」と政府の代表団をねぎらったうえで、「あの国といつまで話し合いを続けても一緒。拉致された方全員を取り戻すまでは頑張っていこうと思う」と落ち着いた声で語った。父明弘さん(76)は「断固とした姿勢で臨み、制裁法案の施行、それしか方法がない」と訴えた。
松木薫さんの弟信宏さん(32)は「死亡原因も(他人のものとされた)遺骨についても説明があったが、今まで無いとされてきたものがいきなり出て来るのはうそをついているようなこと」。薫さんが北朝鮮で日本語を教える時に教材として使用していたとされる日本のドラマ「出航」のシナリオの写真を示しながら、「兄が北朝鮮側に託したのではないか。他の報告も『シナリオ』なのではないか」と疑問を呈した。
(11/16 00:33)
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