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中皮腫患者1200人の職業、4割が「石綿と関連薄い」

2005年07月21日07時23分

 アスベスト(石綿)の健康被害をめぐり、58〜96年に国内で解剖結果が報告された1846人の中皮腫(ちゅうひしゅ)患者中、職業が分かった人の4割以上にあたる576人が、石綿との関連性が薄い仕事に就いていた一方で、確実に石綿と接触していた人は28人にとどまることが分かった。富山医科薬科大の村井嘉寛助手が分析した。中皮腫は石綿吸入が最大の原因とされるが、仕事で石綿を取り扱わない人でも知らない間に石綿と触れる機会があり、発病の危険性があることが裏付けられた形だ。

 村井氏は、58〜96年に日本病理学会に報告された105万6259例の解剖結果から中皮腫と診断された人を抜き出し、性別や職業ごとに分けた。地域ごとに中皮腫患者の傾向を分析した研究はあるが、全国的な調査は珍しい。結果は01年に英字誌で報告された。

 1846人中、男性は1287人、女性は558人で、1人が不明。死亡時の年齢は7割以上が50〜79歳だった。

 村井氏は解剖報告に職業が記されていた1285人について、職場での石綿暴露(石綿を吸うことなどによる接触)について(1)確実(2)可能性が高いか、ある(3)不確か(4)可能性が低い、の4分類に分けた。

 「確実」だったのは28人で、石綿関連工場の従業員が26人、石綿断熱材を使用していた労働者が2人。(2)に分類されたのは建設(96人)、造船(33人)、電気(24人)、鉄道(22人)の労働者など226人だった。

 一方、(3)に分類されたのは会社員(201人)、農業(79人)、一般工場労働者(46人)、運転手(36人)など455人。(4)に入ったのは主婦(228人)、飲食店従業員(50人)、教師(39人)、公務員(27人)など576人だった。

 これらの職業は解剖医が報告したもので、主な職業や直近のものが記されることが多く、生涯を通じて石綿に接触しない職業だったかどうかは不明。また、生活環境や家族の職歴は分からない。

 中皮腫をめぐっては、兵庫県や奈良県で石綿関連工場の近くの住民が発病しているほか、夫の作業着を洗濯していた工場従業員の妻や、石綿が吹き付けられた倉庫に長年出入りしていた人が発病した例がある。「可能性が低い」に分類された人たちはこうした形で暴露した可能性がある。

 村井氏は分析結果について「中皮腫は石綿への暴露が比較的低量でも起きると言われている。職業だけから判断することには限界があり、個別の原因を判断するためにはより詳細な調査が必要だ」と話している。


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