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アスベストを含有した吹き付け材が使用された天井はシートに覆われた=22日午後、東京・町田の小田急線町田駅の改札前で |
全国の鉄道会社や交通局のうち、約6割がアスベスト(石綿)を含む建材を駅舎などで使っていることが22日、朝日新聞社の調査で明らかになった。駅数は全体の約4割の約3700駅に上っており、小田急電鉄(東京)や札幌市交通局など八つの会社・交通局の計31駅では、石綿が含まれていたり、含まれる疑いのある吹き付け材が、飛散防止措置を施されないままむき出しになっていた。国土交通省も全事業者に石綿の使用状況の報告を求めており、不適切な状況を確認できれば是正を求める方針だ。
全国の鉄道会社や自治体の交通局のうち、鋼索鉄道(ケーブルカーなど)を除くJR6社や大手・中小私鉄、第三セクター、地下鉄、新交通システムなど160事業者に駅舎の石綿使用状況を聞いた。「調査中」とした16社を除く144社についてまとめた。
今回新たに4事業者で、石綿が含まれているか、含まれている疑いがある断熱材が乗客が利用する場所の天井などに吹き付けられ、露出していたことがわかった。
札幌市交通局(札幌市営地下鉄)の13駅▽小田急電鉄(東京都)の1駅▽箱根登山鉄道(神奈川県小田原市)の1駅▽名古屋鉄道の1駅。これまでに判明しているJR東日本、JR西日本、南海電鉄、京阪電鉄と合わせ、8事業者、計31駅となった。
小田急電鉄は、町田駅(東京都町田市)で一部が露出している状態だったため、シートで覆う応急措置を取った。名古屋鉄道では、神宮前駅(名古屋市熱田区)の改札口付近の天井などでむき出し状態になっており、同社は「早急に対策を検討する」という。箱根登山鉄道は、箱根湯本駅(神奈川県箱根町)の天井で露出していたため、シートで覆った。
このほか、福井鉄道(福井県武生市)の2駅▽神戸市交通局(神戸市営地下鉄)の14駅▽北九州高速鉄道(北九州市)の2駅▽東急電鉄(東京都)の4駅でも石綿の吹き付けが確認された。いずれも、天井板で密閉するなどしており、飛散する恐れはないという。
東京都交通局(都営地下鉄)は、34駅の軌道部の天井に石綿が含まれている可能性のある仕上げ材が使われており、検査機関で分析している。
波形スレート板や内装材など、石綿を含む建材を使っている駅は、今回の主な判明分だけでJR四国の217駅(全体の84%)▽東武鉄道(東京都)の199駅(96%)▽名古屋鉄道の131駅(47%)▽西武鉄道(埼玉県所沢市)の91駅(99%)▽東急電鉄の86駅(89%)▽大阪市交通局(大阪市営地下鉄)の80駅(79%)――に上った。
このほか、JR西日本の1147駅(94%)、JR九州の234駅(42%)でも石綿を含む建材が使われていることが判明している。
これらを合計すると計約3700駅となり、160事業者・9400駅の約4割になる。近畿日本鉄道などは「建材の使用状況については調査中」としており、最終的な数はさらにふくらむ可能性がある。
国土交通省は7月から、鉄道会社に駅舎や車両での石綿の使用状況や健康被害の有無を報告するよう求めた。鉄道局は「断熱などに優れた材料だったため、当たり前のように使われていたようだ。乗客に実害は生じていないと思われるが、不安に感じる人がいる以上、適切な対処をするよう事業者を指導したい」としている。