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石綿が見つかった文具店倉庫内の写真を手に会見する関西労働者安全センターの片岡明彦事務局次長(右)やアスベスト訴訟弁護団の弁護士=22日午前10時10分、大阪市中央区の関西労働者安全センターで |
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石綿が見つかった文具店2階の倉庫=関西労働者安全センター提供 |
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被害者の肺から検出された石綿小体。長さは約50マイクロメートル=医療法人ひらの亀戸ひまわり診療所提供 |
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文具店倉庫の壁に吹き付けられていた石綿=関西労働者安全センター提供 |
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文具店倉庫の壁に吹き付けられていた石綿=関西労働者安全センター提供 |
アスベスト(石綿)で起きるがんの一種「中皮腫(ちゅうひしゅ)」で死亡した大阪府内の男性の肺から、勤務先の文具店の倉庫に吹き付けられていたのと同じ青石綿が検出されたことが22日、石綿問題に取り組む東京都江東区の名取雄司医師の調査でわかった。健康被害は石綿を扱う工場を中心に広がっているが、職場に吹き付けられた石綿による中皮腫の発症が確認されるのは国内で初めて。遺族側は建物の管理会社に、治療費や慰謝料などの補償を求める意向だ。
男性は1969年から03年まで私鉄高架下にある文具店に勤務し、02年に中皮腫と診断され、04年に70歳で死亡した。
文具店2階の倉庫の壁は毒性の強い青石綿が吹き付けられ、むき出しになっていた。高架を走る電車の振動で石綿の粉じんが舞っていたという。男性は1日30回以上、商品の出し入れで倉庫に入り、月に1、2度はほうきで掃除していた。
死因が中皮腫であることから、名取医師が男性の肺組織を調べた結果、今年7月になって、石綿の繊維にたんぱく質が付着した「石綿小体」が乾燥重量1グラム当たり平均72本確認された。
名取医師によると、職業的に石綿を吸うと1000本程度検出される。男性はそれを下回るが、一般の人(約30本)の倍以上で、大半が通常検出されない青石綿だった。
また、名取医師の調査では、倉庫で掃除した時の大気中の石綿濃度は1リットル当たり136繊維に達したが、通常は1〜4繊維。1階店舗は1繊維前後だった。大気汚染防止法は、石綿工場から周囲に飛散させないために、敷地境界での濃度基準を1リットル当たり10繊維としているだけで、一般環境中の基準は定めていない。
名取医師は「データが乏しく、断定はできないが、同様の環境での中皮腫や肺がんの発症のリスクは数万人から数十万人に1人程度ではないか。一般環境中の基準作りや、小規模な建物の吹き付け状況の把握など、早急な対策が必要だ」と指摘している。
一方、男性の遺族の代理人や関西労働者安全センターのメンバーは22日、大阪市内で記者会見し、「アスベスト工場に勤務していたわけではなく、安全と信じた環境で働いていたのに」などとする遺族の手記を公表、行政や企業の対応を求めた。