< アスベスト被害 >
展示SL車両にアスベスト使用の可能性 JR各社調査へ
2005年08月29日19時24分
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勤め帰りの人たちなどでにぎわうJR新橋駅前広場のSLも調査対象に=29日午後、東京都港区で |
公園や小学校などに展示されている蒸気機関車(SL)について、JR東日本は29日、アスベスト(石綿)が使用されている可能性があるとして、保存状態の調査を始めると発表した。いずれも国鉄時代に無償貸与されたまま、管理は各自治体に任されてきた。JR他社も全国で同様の調査に乗り出す方針だ。
展示車両は70年前後を中心に、当時の国鉄が各自治体の求めに応じて、引退したSL車両などを無償で貸し出した。JR東日本によると、同社管内の約140自治体に約160両が現存。JR各社の合計では、全国で500両を超える車両が公園や小学校、駅前などに展示され、9割がSLという。
SLの場合、運転台の前方にあるボイラー(火室)やシリンダー、配管などにアスベストを含んだ断熱材が巻き付けられている可能性がある。現役状態のままならば、鉄板に覆われて飛散しないが、鉄板が腐食している場合はむき出しになっているおそれもあるという。
国鉄の貸与契約では、展示車両の管理責任は借り主側の自治体が負っているが、JR東日本は「JRには整備技術があり、無料で点検する。腐食などが見つかった場合の対策は、自治体と協議する」としている。JR西日本は各自治体に対し、点検が終わるまでは車両内に立ち入らないよう呼びかけて欲しいと要請した。
展示車両のうち、交通博物館(東京)や梅小路蒸気機関車館(京都)の展示車両は、すでに撤去や封じ込めなどの対策をしてあるという。
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