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石綿救済の資金負担、260万社に 政府方針

2005年11月25日15時25分

 アスベスト(石綿)による健康被害者を救済する新法の策定を進めている政府は、産業界に負担を求める07〜10年度分の救済資金を、労災保険に加入している企業全260万社から毎年度100億円程度集める方針を固めた。保険料率を上乗せして強制徴収する。来週にも関係閣僚会議を開いて決める。産業界全体に負担を求める「強制奉加帳方式」に反発の声があがるのは必至だ。また、地域住民など労災が適用されない被害者の救済に保険料を使うことになるなど問題点が多い。

 政府は、1970〜2010年度の被害者に対し、遺族一時金や療養費、葬祭料など総額700億円規模の救済策を固めている。06年度までの400億円強は公費で負担し、07〜10年度を産業界が負担するという枠組みだ。

 労災保険は、従業員のいるすべての事業所に加入義務がある。保険料率は従業員の賃金総額の0.5〜12.9%と業種によって異なるが、政府は、この料率に救済資金分を上乗せする。上乗せ幅は今後決めるが、負担は最大となる見通しのトヨタ自動車で年3000万円程度になる見込み。

 さらに、クボタやニチアスなど、健康被害の広がりと強い因果関係が認められる石綿関連の事業者には、より重い負担を求める「二段階方式」を取る。

 政府は、産業界の負担は石綿を使ってきた関連企業、業界に担わせることにしていたが、「関連」の線引きが難しいことなどから、全事業者から負担を求めることで公平性を確保する案を固めた。

 しかし、金融、IT、ベンチャーなど石綿と本来関係ない企業も負担することになるため逆に不公平感が出る。負担が増えた場合、株主などからも異論が出る可能性がある。さらに、労災の対象外となる個人事業者は負担を求められない。石綿関連部門を分社化した場合、「二段階方式」は分社だけにかかり負担が少なくなるなど、制度の合理性を疑問視する声もある。

 これらの問題点について政府は、負担が始まる07年度までに論理的な整合性をつけ、産業界の説得にあたる。


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