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秋特集2005
〜ワインを飲む楽しみは、知る楽しみによってさらに深まる〜

ワイン王道へのアプローチ(3) ソムリエのお仕事

2005年11月02日

青木冨美子 〈プロフィール

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認定試験風景

 (社)日本ソムリエ協会では、1985年から毎年『ソムリエ呼称資格認定試験』を実施しています。ソムリエ職はワイン、アルコール飲料を供するサービス業に従事していることが条件になります。試験を開始して20年が過ぎましたが、11月現在でソムリエ有資格者は累計で1万513名になっています。86年から酒類製造および販売、流通業、ワイン講師などを対象にしたワインアドバイザー資格、96年からはワイン愛好家を対象にしたワインエキスパート資格も認定しています。


世界のトップソムリエが競うコンクール

 世界のトップソムリエが、知識と技能を競う大会があります。『世界最優秀ソムリエコンクール』がそれで、国際ソムリエ協会(ASI)に加盟している国(2004年大会は43カ国)から代表選手1名が出場して行われます。86年、ASIに入会した日本ソムリエ協会は、同年開催のヴェニス大会に初めて代表を出場させました。89年パリ大会、92年リオデジャネイロ大会と3大会続けて良い結果は得られませんでしたが、95年の東京大会で田崎真也・現副会長が見事に優勝。2000年のモントリオール大会では石田博・現『ベージュ東京』支配人が第3位に入り、日本のソムリエのレベルや資質が、世界のトップ水準に達していることを証明しました。


次回バルセロナ大会への期待

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仮想客相手にサービス実技試験に臨む佐藤ソムリエ

 2007年の開催地はスペインのバルセロナです。10月に日本代表を決める国内コンクールがありました。『世界最優秀ソムリエコンクール』同様の臨場感で、英語または仏語を使っての厳しい審査が行われました。出場した佐藤陽一ソムリエはブラインド・テイスティングおよびサービス実技を時間内に収め、念願の優勝を果たしました。バルセロナ大会への期待は日ごとに高まっています。


ワインをいかにおいしく飲んでいただくか

 佐藤ソムリエは、六本木『マクシヴァン』のオーナーソムリエです。以前、私が主催するワイン会『Non Solo Vino』で、お話しいただいたことがあります。

 「ワインをいかにおいしく飲んでいただくかを信条にしています。食前酒をお出した段階で、どの人がどのくらいのペースで飲むのか、速いか遅いか、客席のどの人がリーダーシップをとっているかをサービスしながら見ています。一口目を飲んだ時のお客様の表情、それはほおの筋肉の動きを見ていればわかります」と。

 続けて、「欧米の恋愛と似ていて、ワインをおいしく飲んでいただくためにはワインにたえず気を遣(つか)い、『香りはどう』、『温度はどう』、『グラスは』、『注ぐスピードは』など、それくらいの気配りがないと駄目な飲み物かなと思って仕事をしています。97%くらいのワインは気楽に飲んでいただいて良いと思いますが、極上ワインの場合は特にそう思います」と語っていました。


ソムリエと親しい関係にあるコルク

 ワインと親密な関係にあるコルクは、ソムリエとも親密です。佐藤ソムリエは、「まずキャップシールの切れ方、シールを外した後のコルクの表面、コルクの乾き具合、ソムリエナイフを差し込んだ時の感触、スピード、ソムリエナイフを回した時の回り具合、そして引き上げる時のコルクの湿り具合でコンディションを見ます。コルクの香りを確かめますが、ここではコルクの湿り具合と<コルク臭>、つまり傷んでいないかどうかをチェックしています」と語り、抜栓をプレゼンテーションしてくれました。お客様に“ワインをいかにおいしく感じさせるか”、“ワインを早く飲みたいと思わせるか”が念頭にある佐藤ソムリエのその動作、早業は実に見事でした。


コルクに替わる新しい代替栓、スクリューキャップ

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グロセット・ポーリシュヒル・リースリング2005年&2002年(左の2本) 1976年と1980年ヴィンテージのスクリューキャップ仕様のワイン

 ワイン業界を深刻にさせている問題が <コルク臭>(日本ソムリエ協会機関誌78号・PDF)で、ワインはカビ臭く、果実味が消えた液体に変わり果ててしまいます。TCA(トリクロロアニソール)と呼ばれる塩素イオンの化合物に起因するものですが、世界全体で年間400〜500億円(全体の3〜5%)にものぼる損失を出していると言われています。

 フランス、シャブリ地区の生産者ミッシェル・ラロッシュ氏(日本ソムリエ協会機関誌78号・PDF)はコルク臭問題にうんざりして自らが造る最高級ワイン『シャブリ・グラン・クリュ・レゼルブ・ドゥ・ロベディアンス』の2002年ヴィンテージをスクリューキャップに切り替えました。

 スクリューキャップはオーストラリアやニュージーランドの新世界で広く導入されています。10月末に来日した南オーストラリア州のジェフリー・グロセット氏は全ての白ワイン、赤ワインをスクリューキャップにしています。

 彼が造った『グロセット・ポーリシュヒル・リースリング2002年および2005年』をテイスティングしましたが、2005年は溌剌(はつらつ)とした酸味が心地良く、2002年はスクリューキャップで熟成させて3年経過していますが、上品な酸味とリースリング特有のミネラル香が出ていて素晴らしい味わいでした。


国内コンクールにもスクリューキャップが登場して!

 先の国内コンクールでは、仮想客から「白ワインが飲みたいです」という注文が出ました。用意されていたのは南オーストラリア州クナワラ産の、何とスクリューキャップのワイン。「スクリューキャップのメリット、デメリットについて答えてください」という設問もありました。

 スクリューキャップ(日本ソムリエ協会機関誌86号・PDF)はワイン用に研究・開発された3層からなる栓で、フランスのペシネ社が造るスティルヴァン・スクリューキャップ(商標)が良く知られています。

 私はスクリューキャップのワインをいかにカッコ良くパフォーマンスして開栓するかが、これからのソムリエのお仕事のひとつだと思っています。


レストランでの楽しみ方のヒント

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割烹小田島はオーナー直筆のワインリスト

 『タイユバン・ロブション』や『エノテカ・ピンキオーリ』などのトップレストランを仕事場にしてきた佐藤ソムリエの言葉を借りるなら、「一流店によって微妙に差別化が出来ているので、1回だけ行くのは損。その場合は帰り際に次の予約を入れることがポイントで、3カ月連続して行けば、顧客として覚えてもらえるし、案内される席も違ってくるはず」とのこと。

 六本木の割烹『小田島』はご主人の小田島稔氏のアットホームなおもてなしが評判で、ワインリストもオーナーの人柄がにじみ出ているやさしい印象。豊富なグラスワインと和食とのマリアージュを堪能することができます。渋谷『シノワ』のオーナー、名ソムリエの後藤聡氏がお薦めする「料理とグラスワインのセットコース」は、マリアージュ探求派には打ってつけだと思います。


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ワイン1本ずつへの思いがこもったタベルナ・ロッサーナのワインリスト

 購入したワインをレストランに持ち込む場合、レストラン側は「抜栓料」という名目で料金を取ることが多いようです。六本木の『マコ・レストラン』の場合、「抜栓料1本3000円」ですが、菊地マネージャーにワインと合う料理をお願いしておく手があります。新宿御苑のイタリアン『タベルナ・ロッサーナ』では、『ワイナリー和泉屋』さんからワインを購入した場合、無料で持ち込みできます。ただし、グラス使用料として¥500/個を払うシステムになっています。オーナーソムリエ立石滋氏のワイン1本ずつに賭ける想いが伝わってくるワインリストも見ていて楽しいです。

(次回は最終回、ボージョレ・ヌーボーについてです)


〈お薦めできるスクリューキャップのワイン〉

★オーストラリア

フォックス・クリーク・ショートロウ シラーズ2003 (南オーストラリア州)

グロセット・ウォーターヴェイル リースリング2004(南オーストラリア州)

コールドストリーム・ヒルズ メルロー2003(ヴィクトリア州)

カレン カベルネ・ソーヴィニヨン/メルロー2002 (西オーストラリア州)

デヴィルス・レイヤー・フィフスレッグ・ロゼ2005(西オーストラリア州)

★ニュージーランド

ノイドルフ ピノ・ノワール2004(ネルソン)

マトゥア・ヴァレー ピノ・ノアール2003(マールボロ)

マトゥア・ヴァレー ソーヴィニヨン・ブラン2003(マールボロ)

クラウディ・ベイ ソーヴィニヨン・ブラン2005(マールボロ)

 

プロフィール

青木冨美子(あおき ふみこ)

青木冨美子さん

慶応義塾大学卒業
(社)日本ソムリエ協会理事・同機関誌編集長。
NHK、大手洋酒メーカーを経て、現在、フリーランス・ワインジャーナリスト。
1990年(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー資格取得。
著書に『おいしい映画でワイン・レッスン(講談社刊)』、協力執筆『ワインの事典(柴田書店)』、監修『今日にぴったりのワイン(ナツメ社)』など。
女性誌への執筆、各種企業向けワイン講師のほか、現在、昭和女子大学オープンカレッジの講師として活躍中。

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おいしい映画でワイン・レッスン

  • 著者:青木冨美子 
  • 出版社:講談社 
  • ISBN:4062101351 
  • 価格:¥ 1,680

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今日にぴったりのワイン

  • 著者:青木富美子 
  • 出版社:ナツメ社 
  • ISBN:4816338136 
  • 価格:¥ 1,680

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ワインの事典

  • 著者:大塚謙一・戸塚昭・福西英三・山本博・東條一元 
  • 出版社:柴田書店 
  • ISBN:4388353140 
  • 価格:¥ 3,150

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