年間40億円を超える赤字を抱え、売却先を模索していたプロ野球パ・リーグ、大阪近鉄バファローズと、同じリーグで神戸市が本拠のオリックス・ブルーウェーブが合併に向けて、協議を重ねていることが明らかになった。両球団は今季終了後の合併で基本合意しており、7月の12球団のオーナー会議などで説明を行う。承認が得られてパが5球団になると、1リーグ制を含めた球界再編へ動きが加速しそうだ。
近鉄球団の親会社である近畿日本鉄道の山口昌紀社長は13日、大阪市内のホテルで記者会見し、「回収の見込みのない経営資源を投入するのは、会社の性格上無理。球団経営はお互いに苦しく、2チームが合流して巻き返しを図ろう、となった」と説明した。
合併案は4月後半に浮上し、5月の黄金週間明けにオリックスの宮内義彦オーナー、山口社長が東京で会談し、まとまったという。
オリックス側は14日午前になって、小泉隆司球団社長が「近鉄さんの発表通り。手順通りにいけばいい、と思っている」と話した。
近鉄球団は、今年1月末、球団命名権の売却を発表したが、他球団からの強い反発で撤回。5月下旬には本社専務が球団売却の可能性を示していた。
本拠の球場、愛称などについては今後、両球団で詰めていくが、近鉄側は新球団名に「近鉄」の文字を残すことにはこだわらない方針だ。
〈球団合併〉 プロ野球界のルールを定める野球協約の第33条で、12球団代表による実行委員会とオーナー会議で4分の3以上の承認が必要と定められている。球団合併は過去に5度あり、セ・パ2リーグ制になった50年以降では4度。57年オフに大映ユニオンズと毎日オリオンズが毎日大映オリオンズ(大毎)となったのが最後。2リーグ分立後しばらく、両リーグとも7球団、8球団で運営した時期があるが、58年からは6球団ずつで固定されてきた。
(06/14 11:12)
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