プロ野球の大阪近鉄バファローズに対し、インターネット関連事業のライブドア(本社・東京)は30日、買収交渉に入ることを表明した。近鉄はすでにオリックス・ブルーウェーブとの合併交渉に入っており、ライブドアへの売却の意思はないとしているが、新たな「買い手」の登場は、現在の合併交渉や「1リーグ制への移行」問題にも微妙な影響を与えそうだ。
この日、ライブドアの堀江貴文社長が東京証券取引所内で記者会見し、「500億円以上の現預金があり、長期間、球団経営を続けるだけの財務体力はある」と述べた。買収に必要な額は10億〜30億円程度と見込む。福岡ダイエーホークスのように観客を増やす工夫をこらし、同時に管理コストを減らせば、現行の赤字体質からの脱却は可能との考えを示した。
ライブドアによると、今年2月下旬に、ある証券会社から近鉄球団の買収話を持ちかけられ、応じる意向を示したが、その後立ち消えになった。そこへ6月、近鉄がオリックスとの合併に関する基本合意を発表したため、近鉄に買収の意思があることを伝えたという。
近鉄側は「オリックスと合併話を進めている最中であり、すでにお断りした」としている。
ただ、近鉄がオリックスとの合併を決断したのは、売却先がみつからなかったためとされている。ライブドアが買収表明したことで、合併に不満を持つファンなどから近鉄球団存続の要望が出る可能性もあり、球団運営のあり方について論議が高まる可能性もある。
ライブドアは、近鉄買収に名乗りをあげることで、知名度向上につながるうえ、買収が実現すれば、ネットのコンテンツに活用することも可能になる。
(06/30 20:23)
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