プロ野球のオーナー会議(渡辺恒雄議長=巨人オーナー)が7日、東京都内のホテルであり、大阪近鉄バファローズとオリックス・ブルーウェーブのほかに、パ・リーグでもう1組の合併の計画が進んでいることが明らかになった。合併は西武ライオンズを軸に進められていると見られる。9月8日に開かれる次回オーナー会議に向け準備が進んで2組の合併が認められれば、パ・リーグは4球団に減る。リーグ存続は事実上難しく、来季から10球団、1リーグに移行する可能性が濃厚だ。
オリックスと近鉄に続く合併話は、西武の堤義明オーナーが、会議の中で「もう1組の合併の話が進行中である」と報告して、明らかになった。合併する具体的な球団名は明らかにされなかった。
堤オーナーは会議後の記者会見で「西武、日本ハム、ダイエー、ロッテで、どことどこが一緒になるか模索している段階」と話した。西武が合併するかどうかについて「可能性はある」とした上で、1リーグ移行について「9月8日のオーナー会議までに(合併話を)積み上げ、来季からと思っている」と強い意欲を見せた。
これまで、12球団の球団社長や代表らによる会議では「1リーグ制移行」については話し合われておらず、いきなり、オーナー会議で報告された。10球団になった場合について、議長として記者会見した渡辺オーナーは「私もそうだが、1リーグにした方が望ましいという意見の方が多い」と述べ、来季からの1リーグ制へ向けて加速していくことを示唆した。
また、渡辺オーナーは、1リーグになった場合に10球団を東西に分けたり、前・後期制を取ることで、日本シリーズのような優勝決定戦を運営する案を示した。
会議後、ロッテの重光昭夫オーナー代行は「パが4球団になり、さらにセと合併して1リーグにならざるを得ないだろう。合併話があればお聞きするが、うちからアプローチはしない」と同調する姿勢を示した。ダイエーの中内正オーナーは「驚いたが、一つの課題だ」などと話した。
近鉄とオリックスの合併の動きは6月13日に表面化。実現すると5球団になるパ・リーグの運営に支障が出ることなどから、球界再編を含めた議論になった。
その後、インターネット関連事業ライブドアが近鉄球団買収に名乗りを上げたが、近鉄側は拒否を表明。この日のオーナー会議でも議論にならなかった。労働組合・日本プロ野球選手会(古田敦也会長=ヤクルトスワローズ選手)は5日に「合併を1年延期して、じっくり議論をしてほしい」と要求していた。この提案について、渡辺オーナーは会見で「その必要はない」と一蹴(いっしゅう)した。
古田会長は「ファンの声も聞いて、ストライキ権も含む、今後の対応を考えたい」と話した。
近鉄とオリックスの合併案は大筋で認められたが、正式決定は9月のオーナー会議となった。
(07/08 00:07)
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