インターネット関連事業の楽天(本社・東京)は22日、仙台市を本拠地にした新球団を設立し、24日に日本プロ野球組織へ加盟申請することを明らかにした。来季からパ・リーグへの参入を目指す。これまで神戸か大阪を第1候補としてきたが、「他球団と(保護地域などの)利害が絡み、現実的に難しいという結論に達した」(三木谷浩史社長)という。同業のライブドアも仙台市での参入を申請しており、フランチャイズを奪い合う異例の展開となった。
三木谷社長は会見で、「野球界に新しい血を受け入れていただき、縮小傾向を止めることが一番重要なこと」と語り、来季もセ6、パ6の計12球団となるよう要望した。オリックスとの合併が決まっている近鉄球団の買収構想については、「目いっぱい努力したが難しかった」と語った。
新球団の専用球場は県営宮城球場(仙台市、2万8000人収容)とし、来シーズンの開幕までに改修する。仙台に加え、年10〜15試合は長野県のオリンピックスタジアムでも公式戦を開催する構想を明らかにした。チーム作りは、近鉄とオリックスとの合併でもれた選手を中心に獲得、チーム数拡大のために各球団が選手を出し合うドラフトが開かれれば活用する意向だ。
仙台を本拠に選んだ理由は、(1)プロ野球の空白地であること(2)地元の野球に対する熱意が高いことを挙げた。2軍球場や合宿所などの施設は、地元企業からの賃貸または新設することで、野球組織の参入条件はクリアできるとの意向を示した。
ライブドアと本拠が競合することについて、三木谷社長は「早い者勝ちではないと思う。(浅野史郎)知事の意向もあるが、宮城、仙台のみなさんで判断して欲しい」。一方、ライブドアは「地元側と球団設立の準備をしており、信頼関係を継続してくれると信じている」(熊谷史人執行役員副社長)としている。
(09/22 20:30)
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