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2012年12月3日21時15分
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〈新年班取材日誌〉SNSで届いた沖縄の声

 【仲村和代】

仲村記者のツイッターでご意見募集中ビリオメディア特集ページ

 沖縄の取材を始めた。

 通常の取材では、ある程度狙いを決め、下調べをし、狙いに合った人を探して話を聞きにいく。だが今回は、あえてしなかった。ソーシャルメディアを取材手法として使うなら、まず真っ白な状態で歩いてみようと思ったからだ。

 途中で、ツイッターを通じ、沖縄から本土に伝えたい声や、疑問に思っていることを寄せてほしいと呼びかけた。その段階で私のフォロワーは200人ほど。正直なところ、それほど反応があるとは思っていなかった。だが、沖縄の中からも外からも、次々に意見が届き始めた。

 「根っこは基地がない方が良いと沖縄の人は思っていると思う。もちろん私も」

 「オスプレイ賛成派の報道が全くないのは偏向だ」

 「沖縄は決して反基地で一枚岩ではない。原発の立地の補助金を求める人々と反原発の人々が共存する自治体があるように、沖縄も事実上の基地と引き換えの経済的ベネフィットを求める人々もいれば、心から基地の縮小・撤去を願う人々もいる」

 「基地問題など暗い話題が増え、沖縄の明るさや温かさが取り上げられる機会が減少している気がする」

 「反基地」に寄りがちな報道への批判から、逆に伝え方が不十分だという批判まで。「賛成」「反対」とひとくくりにはできない、一人一人の声だ。

 その中で、こんなつぶやきが目に留まった。

 「沖縄に住む高校生です!家から約300メートル先に普天間基地があります!いろいろ話がしたいです!」

 アイコンには、友達と撮ったキラキラのプリクラ。タイムラインには、恋愛やバイトの話題が並ぶ。翌日、会うことになった。

 「取材されに行ってきます!緊張!緊張!!!」。つぶやきながら待っていたのは、志村早紀さん(18)。県内の高校3年生で、専門学校への進学も決まっているという。

 彼女が通った宜野湾市の普天間第二小学校は、グランドからフェンス1枚隔てたところに米軍普天間飛行場がある。上空を米軍ヘリが飛び、爆音で授業が中断されることもよくあった。

 「おばあちゃんが心臓が悪くて。オスプレイは、音はそうでもないけど、心臓にすごく響くんだって」

 周りには、家族が基地で働いている子も、父親が米兵だという子もいる。買い物に行った先で会う米兵もフレンドリーだ。声高に主張することには、ためらいがあるという。

 「平和のためなら、基地はあってもなくてもいいんです。経済の問題もあるし、難しい。でも、私たちはずっと騒音に悩まされてて、飛行機がいつ落ちるかわからないっていう恐怖心がある。地元のこと知らないまま、いろいろ言われるのが悔しいです」

 高校に進学して宜野湾市以外の地域から来た同級生と会い、県内ですら実態が知られていないことを知った。「こんなにうるさいんだ」。家に遊びに来た友達にいわれたこともある。

 学校では、「あ、オスプレイ飛んでる」と話題になる。「基地なくなったら、何できるかなー。ディズニーランドとか?」。時々、友達と語り合う。デートで高台までオスプレイを見に行くこともある。それが、彼女たちの日常だ。

 取材を受けていることは、フェイスブックにも書き込んだ。「地元の声をもっともっと話したい。やっぱ普天間基地の問題は日本全体で取り組むべきだと改めて思った!」。100を超える「いいね!」が集まる。「音がうるさくて授業に集中できません!」「伝えてくれてありがとう!」「かっこいい!」。沖縄の中学生や高校生から、コメントも寄せられた。

 基地賛成派の人はコメントしないだろう。「反応」しない人の思いまでは、見えない。「いろんな意見があると思うのは当たり前。ちゃんと聞いてみたい」。家族や友人も含めて取材を続けることを約束し、その日は別れた。

 ツイッターには、こんな声も届いた。「基地問題は0か1かという単純な問題ではないと思う。歴史背景がかなり深遠で複雑に至った経過がいまの基地問題までにつながっている」

 沖縄の複雑さを、すべて切り取れるとはとても思えない。でも、そんな一面もあるということは、伝えていきたい。

    ◇

 SNSを取材や発信に活用する新年企画取材班(仮称・ビリオメディア班)が発足。仲村記者は、これからも沖縄の取材を続けます。ご意見を仲村記者のツイッター(@coccodesho)または、取材班のメール(asahi_2013@asahi.com)までお寄せください。

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