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2012年12月28日9時42分
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政治活動に「いいね!」 「信任ポイント」で当落

写真:天野彬さん=東京都中央区、赤田康和撮影拡大天野彬さん=東京都中央区、赤田康和撮影

写真:天野彬さん=東京都港区、赤田康和撮影拡大天野彬さん=東京都港区、赤田康和撮影

 【赤田康和】友人や知人の投稿に称賛や肯定の気持ちを伝えるフェイスブックの「いいね!」機能。これを新しい選挙の手法として活用して、有権者と政治家の関係を作り替えるという構想を、大手広告会社プランナーの天野彬さん(26)がまとめた。

ご意見・感想はフェイスブックの特設ページヘ

 朝日新聞の新年企画ではフェイスブックの特設ページ「オルタナティブ・ニッポン」で、広く新しい日本をつくるためのアイデアを募集している。「どうする少子化」に続くテーマ「新しい政治のしくみをつくるには?」にアイデアを出していただこうと、天野さんにお願いした。

 天野さんのアイデアは、参議院に、新たな選挙区として定数10の「ネット選挙区」をつくる。この選挙区では、従来とは異なる新しい方法で選挙をする。

 具体的には、有権者が投じる「いいね!」を意味するポイントの累積で議員の当落を決める。

 この選挙区の10人の議員は、ソーシャルメディア上で、国会での質問や法案への賛否、党内での活動などを投稿し、有権者に自らの成果をアピールする。

 有権者には毎月10ポイントが割り振られる。ネットを通じて、10人のそれぞれの現職議員の日々の政治行動に対して、1から10の範囲で好きなだけ、この「信任ポイント」を投じる。こまめに信任の判断をするため、ポイントは1カ月間で使い切らないと消えてしまう、というルールにする。

 現職の10人のうち、6年間に累積したポイントの合計で上位5人が「再選」。下位の5人は、通常の選挙の対象となり、そこで改めて有権者に信任をお願いすることになる。

 「現状では政治家の後援会幹部など一部の有権者をのぞけば、ふつうの有権者と政治家とが継続的な関係をつくるのは難しい。政治家の日々の活動を有権者がつぶさに評価し、政治家にフィードバックしていく仕組みが必要です」。天野さんは、参議院に「信任の府」というコンセプトを与え、政治改革の象徴にしたい、と話す。

 今回の衆院選の小選挙区の投票率は59.32%と、戦後最低を記録した。でも、天野さんがツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアを通じて感じていたのは「投票意欲の高い人が多い」という雰囲気だった。「このまま政治に関心を持たずにいるとまずいことになるという危機感が浸透していた」

 そんなソーシャルメディア上での熱気を、リアルな選挙の場にも持ち込みたい、という狙いも、天野さんにはある。

 天野さんは、東大大学院に在籍中に、学生の仲間と一緒に「信任貨幣」というアイデアをまとめ、電通・博報堂が主催した、未来社会を考えるコンテスト「MIRAI DESIGNAWARD2030」で、受賞している。

 ソーシャルメディア上では、フェイスブックで「いいね!」を押したり、ツイッターでフォローしたり、することを通じて、他人に「信任」を与えている。2030年の未来には、そうした信任が貨幣のように取引可能なものとして流通していく、という構想だ。

 今回の「信任ポイント」の累積で当落が決まるという案は、その構想を現実の選挙に応用したものだ。

 天野さんの提案するモデルには実はもう一つ、ユニークな工夫がある。それは、有権者が自分が持っている10ポイントを、ほかの有権者に渡して代わりに投じてもらうことができる、というものだ。

 政治への関心を持てない人でも、ツイッターでフォローをするように、自分が信頼する知人・友人やオピニオンリーダーに、ポイントを委ねることで政治参加ができる。逆に政治参加に熱心な人たちが、他人のポイントをかき集めようと発信することで、政治への関心が高まる。

 有権者と政治家のつながりを可視化するのが狙いでもあるため、誰が、何ポイントを集めて、誰に投じたかは分かってしまう。政治家による有権者の買収や脅迫が起きやすくなるという恐れはあるが、そうした不正を暴く、ネットの自浄作用にも期待している。

 安倍晋三首相は、参院選でのネットを使った運動の解禁に意欲を見せている。「総選挙後、安倍さんが『国民からの信任を得なければならない』と話していたのが印象的でした。ウェブは新しい形で民意を集約し、政治家と有権者との信任関係を築くための重要なツールになる。せひ次の参院選での導入を検討していただきたい」と天野さんは話す。

 天野さんの案への感想やご意見は、フェイスブックの特設ページ「オルタナティブ・ニッポン」または、私のツイッター(@akadayasukazu)までお寄せください。朝日新聞の紙面などでご紹介させていただく可能性もあります。

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