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2012年12月3日03時00分
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〈新年取材班日誌〉日韓をつなぐ試み

 【武田肇】私がいま一番気になるのは「日韓関係」です。韓流ブームを追い風に順調に見えていた日本と韓国の関係は今夏、竹島(韓国名・独島)問題が再燃したことで一気に冷え込みました。その節目を、韓国語の勉強のため留学中のソウルで迎えたことが直接のきっかけです。

〈特集〉ビリオメディア

 竹島上陸に続き、韓国大統領が天皇陛下に謝罪を求める発言をしたと報じられた8月半ば、韓国留学をうらやんでいた日本の友人は「危ないから早く帰国しろ」と電話してきました。日本転勤を心待ちにしていた韓国人の友人は「反韓デモが起きている日本に行って、身の危険はないか」と真顔で相談してきました。

 一方、私と同じ下宿に住んでいた韓国人は普段よりも親切で、9月に留学生活を終えるまで、危険な目に遭ったり不快な思いをすることはありませんでした。政治のあつれきと庶民生活のギャップこそ、ある意味で一番の驚きだったのかもしれません。

 政治と民間交流は別という簡単なものではないことは、内閣府が先日発表した調査結果で、韓国に「親しみを感じない」と答えた人が前年比23.7ポイント増の59.0%に達したことでも明らかです。政治に波風が立てば、人びとの心が不信感で曇ることは否定できません。

 しかし、その後も韓流ブームは続き、今年も年末年始の海外旅行の行き先で韓国は一番人気といいます。二つの顔を持つ日韓関係をどう考え、摩擦を少なくしていくべきか。心に重い宿題を突きつけられたような思いが残っています。

 今回、ソーシャルメディアを取材道具とする取材班に加わり、やりたいと思ったのは、ひとり悶々(もんもん)と悩んでいた日韓問題について、ツイッターで日本、韓国の人びととつながり、一緒に考えてみたいということです。大げさにいえば、1人の記者が日韓の「情報のハブ」となって取材をし、記事を書くという実験です。

 折しもこの年末、韓国は大統領選、日本は総選挙と政治の季節を迎えます。日韓の市民が同時に未来の国づくりを議論する偶然が生まれた今ほど、「実験」にふさわしい時期はありません。幸いにも、日韓はSNSの利用が世界最高水準という共通点もあります。

 韓国語が中途半端な1人の記者が短期間動き回ったところで何ができるかという批判は承知です。見事失敗するかもしれません。しかし、この試みを通じて、隣国同士のほんの1人でも2人で心の距離が縮まればと願っています。

 当面追いかけるテーマとして、日韓関係の未来にも影響がある韓国大統領選でのSNS利用と、日韓関係がきしむ根本にある「歴史問題」という二本柱を定めました。日韓に関する皆さんの思い、取材テーマに関する皆さんのお知恵を私のツイッター(@hajimaru2)にお寄せいただければ幸いです。

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