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2012年12月24日03時00分
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〈新年取材班日誌〉竹島・歴史問題で日韓インタビュー

 【武田肇】年間500万人が行き来し、食文化からエンターテインメントまで関係の深い韓国。多くの日本人にとって親近感のある国だったはずの隣国との関係が、今年夏以来、微妙になっています。その主な原因は「竹島(韓国名・独島)」と「歴史認識問題」です。

〈特集〉新年取材班「ビリオメディア」

 直接的なきっかけは韓国大統領の竹島訪問ですが、問題の火種は、日本が100年以上前に朝鮮半島を植民地支配したことに端を発します。しかしながら、日韓の国交が正常化してすでに47年。対立する「当事者たち」の多くは、植民地時代を経験していない戦後世代です。

 今回、ソーシャルメディアを使う実験的な企画で日韓関係をテーマにしたのは、今まで表に出にくかった日韓市民の「敏感問題」についての本音や思考に迫り、新たな視点で対立の原因を整理できるかもしれないと思ったからです。

 新聞の日韓問題に関するインタビュー記事の多くは、学者、外交官、文化人といった識者です。むろん、それはそれで重要ですが、立場上、タテマエに固執せざるを得ないという問題もあります。

 一方、韓流ブームでメディアに韓国が登場する機会は増えましたが「敏感問題」についてふつうの市民がどう考えているのか、紹介される機会はまれです。そんな中、私を含めて、日本人は韓国人を、韓国人は日本人を、具体性を欠いたステレオタイプのイメージで眺めているのではないでしょうか。

 限られた時間の中、5原則を決めました。(1)取材期間は、両国で同時に政治について議論が活発化する日韓ダブル選挙(衆院選、韓国大統領選が重なる12月上〜中旬)の最中とする(2)アポなしで韓国に入り、ツイッターで韓国語、日本語でつぶやきながら、取材相手を探す(3)補助的にフェイスブック、ユーチューブを活用する(4)ネット空間は字数が制約がないという利点を生かし、インタビュー内容を極力、全文公開する(4)取材過程を基本的に可視化し、フォロワー(読者)から意見を募る−−です。

 こうした手法で取材した韓国人、日本人は結局8人。当然ながら、日本や韓国の世論を代表しているわけではありません。しかし、自信を持って言えるのは、ソーシャルメディアを通じて「偶然」たどり着いた取材相手であるゆえ、記者の先入観や期待をいい意味で裏切り、これまでの新聞やテレビでは出にくい言説が含まれていることです。

 こうした試みをする最大のねらいは、こうちゃく状態にある日韓対立の中で「考える材料」の幅を広げる必要があると思うからです。インタビューを読んでいただくとわかりますが、お互いの国の常識に照らして、合理的でない、理解できない発言が登場します。それは不快感を引き起こす原因になりますが、とりあえずどちらの主張が正しいかはわきに置き、相手のロジックや思考方式を知っておくことは、長い目で見て「国益」にかなうと思うのです。いわば「嫌韓」から「検韓」(浅羽祐樹・山口県立大教授)への発想転換です。

 すでに私のツイッターには「違う視点で自分の国のことを考えることができた」「韓国の人びとの多様な考えや心の叫び、息づかいを知るうえで興味深い」といった好意的な感想が寄せられています。

 みなさんはどのような思いを持たれるでしょうか。感想をツイッターのアカウント(@hajimaru2)までお寄せ頂ければ幸いです。

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