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2012年8月30日2時18分
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津波犠牲、三重3.2万人 名古屋の浸水域拡大

図:南海トラフ巨大地震で想定される自治体ごとの最大浸水深南海トラフ巨大地震で想定される自治体ごとの最大浸水深

 最も大きな被害に見舞われると、東海4県(愛知、岐阜、三重、静岡)では17万5千人余の犠牲者が出るとされた。

 静岡県は、都道府県別で全国最多の10万9千人の犠牲者が出る。大半は津波が原因の死者だ。

 同県はこれまで、揺れによる建物の倒壊を中心に被害を想定しており、東海地震の単独発生による津波での死者数は230人と見込んできた。一気に400倍に増えた形だ。

 同県の川勝平太知事は29日、来年6月までに出す予定だった県独自の被害想定を、年明け早々に前倒しして出すと発表した。

 三重県では、4万3千人の死者が出ると想定された。同県はこれまでにも独自の被害想定をまとめてきた。2005、06年には、東海・東南海・南海地震が同時に起きた場合に県内で約4800人が亡くなると試算している。今回発表された人的被害はその約9倍。県防災企画・地域支援課の小林修博課長は「大変な数字ということは間違いない」と驚きを隠さない。

 想定される犠牲者のうち3万2千人は津波によるもだが、今回は市町村別の犠牲者の内訳は公表されなかった。三重県の場合、地震発生から数分で津波が到達する熊野灘沿岸と、1時間ほど猶予はあっても人口が密集する伊勢湾沿岸では、避難対策や方法も変わってくる。県の担当者は「どの地域に人的被害が集中するのかを示してほしい」と注文をつける。県は今年度中に自治体別の新しい被害想定をまとめる予定だ。

 愛知県では、最大2万3千人の犠牲者が出るとされた。これまで県が想定してきた東海・東南海の2連動地震による被害は2400人で、その10倍近い。内訳は、建物の倒壊で1万5千人、津波で6400人。従来の2連動地震の想定では、津波による犠牲者はわずか6人だった。

 新たに公表された浸水域では、入り組んだ海岸線が続く三重県南部や太平洋に面した愛知県三河地方に加え、伊勢湾や三河湾の沿岸地域への浸水も想定された。中部空港や人口が密集する名古屋市なども含まれ、同市内では、これまで想定されていなかった熱田区や中川区、瑞穂区といった海から離れた地域も30センチ以上浸水するとされた。

 愛知県の大村秀章知事は「大変衝撃的な数字、試算だと思う」と重く受け止めた。一方で、建物の耐震化や堤防整備などで被害が大きく減る想定もあることに触れ、「改めて地震防災対策の抜本的な拡充をしたい」と述べた。

 想定では、堤防や水門の機能不全により、愛知、三重両県で津波による犠牲者がさらに6千人近く増えるとの予測も付け加えられた。両県では、今年度から老朽化した堤防の緊急工事や再点検に着手している。

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