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全国でも有数の活断層密集地帯にあたる東海地方。約7千人が死亡した明治時代の濃尾地震をはじめ、過去に何度も活断層による地震で大きな被害を受けてきた。東海地震など海溝型地震を警戒する一方、足元で活断層が動いた時の備えも求められている。
【特集】足元の活断層 災害大国迫る危機政府の地震調査研究推進本部(地震本部)によると、東海地方で今後30年以内の地震発生確率が「高い」とされる活断層帯の一つが、岐阜県中津川市から下呂市にかけて全長約66キロある阿寺(あてら)断層帯だ。最大11%の確率は、国内の活断層帯で4番目に高い。
昨年3月の東日本大震災の影響で、下呂市を走る断層の一部は、将来の発生確率がさらに高まる可能性があるとの見方もある。岐阜県の被害想定では、冬の平日未明に地震が起きた場合、同県内の死者は約1300人に上るという。
岐阜県北部の飛騨山地に広がる高山・大原(おっぱら)断層帯も地震の発生確率が高いとされる。北東から南西方向に約40平方キロにわたっていくつもの断層が並走している。岐阜県によると、想定される震度は最大7、同県内の死者は約1400人に及ぶ。
静岡県の富士川河口から富士山南麓(なんろく)にかけて南北約26キロに延びる富士川河口断層帯では、マグニチュード(M)8程度の地震が想定される。ここでの地震は従来、内陸型とみられていた。しかし、地震本部は2010年、東海地震と連動する場合があるとの見解を示した。30年以内の発生確率が88%とされる東海地震と同時に発生する確率は、10〜18%と高い。
M8級の地震が発生すると、最大震度7クラスの激しい揺れがあり、地表では、この断層帯に沿って1〜2メートル、場合によっては10メートルの段差が生じると想定される。断層の上には東名高速や新東名、東海道新幹線が走り、東西交通に大きな影響が出る恐れがある。
発生確率は比較的低くても、最大級の被害に警戒が必要な活断層もある。
国の中央防災会議は、愛知県内の岡崎平野や知多半島に広がる屏風山・恵那山断層帯及び猿投山(さなげやま)断層帯のうち、豊田市から西尾市まで長さ約51キロの猿投―高浜断層帯が動いた場合に、東海地方が最も大きな被害を受けると予想する。
中央防災会議の想定によると、冬の午前5時に発生した地震の死者は、愛知県内を中心に約1万1千人、名古屋市など都市部を中心に生じる経済損失は、冬の正午の地震で約33兆円に及ぶ。
岐阜県と三重県にまたがる約60キロの養老―桑名―四日市断層帯も、過去にM8程度の大地震を繰り返し発生させてきた。中央防災会議の被害想定によると、この活断層による地震では、三重県で約4400人、岐阜、愛知、滋賀の3県で計約1500人が死亡するという。
このほか、地震本部が発生確率を「やや高い」とする断層は、滋賀県南部から三重県西部に延びる頓宮断層や、伊勢湾内に広がる伊勢湾断層帯、三重県北部から中部にかけて延びる布引山地東縁断層帯がある。いずれもM7クラスの地震を起こす可能性がある。(宋光祐)