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関東から九州まで列島を約1千キロにわたり続く国内最大の断層「中央構造線」の露頭(地表に出た部分)が、新たに松阪市飯高町で見つかった。露頭は東西方向の断面で幅80メートル、高さ20メートルと大規模。市文化財保護審議会委員も務める県立博物館の津村善博さん(64)は「東西方向の大規模な断面は学術的に貴重だ」と今後の調査に期待する。
発見したのは元校長で地元区長の小林平八郎さん(68)。市教育委員会とともに7日、発表した。
飯高町内には南北断面の露頭で国指定天然記念物の「月出の中央構造線」があり、今回見つかった東西断面の露頭は、東へ約5キロの同町粟野、田引の標高800メートルの林道沿い。上部の褐色部分と下部の黒色部分は地質が異なり、断層面は北側に平均35度の角度で沈み込んでいる。
小林さんは紅葉狩りや山菜採りで近くを訪れ、5、6年ほど前から気づいていたといい、津村さんや市教委と8月下旬に現地を確認し、発表に至った。「月出の露頭は、地形の関係から見ることしかできないが、粟野の露頭は手足で触れて身近に体感できる。地元では、道案内看板の掲示などを考えている」と話す。
県内の中央構造線は、分布の岩石から断層の活動は止まったと推定され、4地域10カ所ほどで露頭が見つかっている。ほとんどが南北断面だという。市教委は今後、市文化財保護審議会で調査、整備方針などを話し合う。
長野県大鹿村中央構造線博物館の河本和朗学芸員(61)は「東西断面は愛知県新城市で水路を掘り下げた際に小規模なものが見つかっているが、珍しい」と話している。(森山敏男)