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大阪府内の活断層で最も大きな被害を出すとされるのが、大阪平野を縦断する上町断層帯だ。府が2006年度に独自で出した想定では死者は最大で阪神大震災の2倍の約1万3千人。建物被害は全壊約36万3千棟、半壊32万9千棟。経済被害額は約20兆円と甚大だ。
上町断層帯は厚い堆積(たいせき)層に覆われ、古くから土地開発が進んだため調査が難しい。府では独自に震源の場所を35通りシミュレーションし、最も被害が大きかった断層北部を震源とする想定で対策を講じている。
17年までに死者数を約6800人、経済被害を約11兆4千億円に減らす目標を立て、住宅の耐震化や自主防災組織率の向上などに取り組む。15年度までに耐震化率を90%まで高める計画で、10年度までで78%という。
だが、地域には木造密集市街地があったり、軟弱な地盤があったりと被害を拡大しかねない要素もある。府内には大阪市を中心に「重点密集市街地」が約2300ヘクタールある。府と大阪市では今年度中に、公園や耐火建築物などが占める割合を示す「不燃領域率」を40%とする目標を立てるが、今年初めまでに大阪市内で38.9%、それ以外では33%にとどまる。
大阪平野は、江戸時代の新田開発や昭和以降の埋め立てで人工的な地盤も多く、液状化の恐れも指摘されている。大阪市立大学の三田村宗樹教授(都市地質学)は、ため池だった土地を埋め立てて学校や公民館などを建設することがある、と指摘。「避難場所がいざという時に使えるか、点検が必要」と話す。
府では上町断層帯以外に、三つの内陸の活断層についても被害想定を出している。奈良県に近い生駒断層帯による地震で死者数が約9800人、全壊約27万5千棟、半壊約24万4千棟。京都府から兵庫県を走る有馬―高槻断層帯で約2500人、全壊約8万6千棟、半壊約9万3千棟。中央構造線断層帯(一部)で約340人、全壊約2万8千棟、半壊約4万2千棟としている。(角谷陽子)