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奈良県内で大規模な地震が起きる確率はどれぐらいか――。
県は2004年、県内で地震が起きた場合に想定される被害を「内陸型」「海溝型」に分けてまとめた。報告書は海溝型について「南海・東南海地震が起きる確率は高いが、被害規模は比較的小さい」とする一方、活断層が動く内陸型は「発生確率は低いが、被害規模は大きい」とした。
県が分析した活断層は、予想される死者数が多い順に、奈良盆地東縁断層帯(奈良、天理、桜井など)▽中央構造線断層帯(香芝〜五條)▽生駒断層帯(大阪府東部)▽大和川断層帯(大和郡山〜王寺)▽あやめ池撓曲(とうきょく)―松尾山断層(奈良〜三郷)▽千股断層(吉野、大淀、五條)▽名張断層(宇陀、桜井)▽木津川断層帯(京都府南部)――の八つ。
南北35キロの奈良盆地東縁断層帯の今後30年以内に発生する確率「最大5%」は、海溝型と比べれば低いものの、「わが国の主な活断層の中では高いグループ」(国の地震調査研究推進本部)。地震の規模を示すマグニチュードは7.5、最大震度7で、死者5153人、住宅の全半壊約20万棟、1週間後の避難者は約44万人と予想される。
中央構造線断層帯では死者4319人、生駒断層帯では4257人とされる。ちなみに、南海トラフの巨大地震の死者は最大1700人(国の推計)だ。
県は06年、約300の短〜長期的な取り組みを掲げた「地震防災対策アクションプログラム」を策定。住宅の耐震化率が03年の59.1%から75.6%(08年)に上がるなど成果もある一方、「05年の24.4%から、10年には37.7%に」とした家具の固定率は05年以降、調査自体がされていない。
防災統括室の担当者は「昨年の台風水害後、『二度と死者を出さない』ことを目標に災害対策を進めているが、いつ来るか分からない地震の備えで行政ができることは限られる」と対策の難しさを語る。(栗田優美)