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2012年9月1日4時8分
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400年前M8地震か 岡田篤正・立命館大教授に聞く

写真:岡田篤正教授岡田篤正教授

 徳島県内を東西に走る中央構造線断層帯。過去にどんな地震をもたらし、今後はどうなのか。岡田篤正・立命館大教授に語ってもらった。

 日本列島には、約2千の活断層がある。このうち中央構造線断層帯は、列島中部から九州中部に及び、日本で最大最長のものだ。県内では吉野川の北岸に沿うような形で数キロの活断層が断続的に走っており、過去に活発に動いた履歴を確認できている。

■「南海」連動の恐れ

 前回この断層帯が動いたとみられるのは、16世紀、1596年ごろ。発生周期は1千〜1600年(地震調査研究推進本部)で、今後30年の発生確率は0〜0.3%(同)とされており、南海トラフによる巨大地震に比べると、切迫度は低い。ただ、南海トラフの地震によって、中央構造線の断層帯も一部動く可能性はある。

 昨年3月11日の東日本大震災後、長野県栄村や福島県いわき市の活断層が動き、マグニチュード(M)6.7〜7の地震が続発した。相対的な被害が少なかったことや、震災後の混乱もあってそれほど報道されなかったが、超巨大な地震があれば、大きなひずみが生じ、エネルギーがたまっているところには変化が起きやすくなるからだ。

 また、県内の断層帯は400〜450年の周期で見ても、M7程度の地震を起こすエネルギーはたまっていると考えられる。

■被害の史料乏しい

 では、中央構造線の断層帯で地震が起きた場合、どんな被害があり得るか。実は約400年前に起きた地震について、被害を示す史料はほとんど残っていない。調査の結果分かったのは、M8クラスの地震が発生し、6〜7メートルの横ずれが生じたとみられること。同じような地震が再度発生すれば、建物の倒壊のほか、吉野川下流域の砂泥が滞積している部分では液状化の恐れがある。過去に南海トラフの地震があったときに、内陸部で液状化が起こったという研究成果がある。

■津波の可能性は低い

 一方、東日本大震災のときのような大きな津波が起きる可能性は低い。中央構造線の断層帯は横にずれるのが主体で、上下方向には最大でも2メートル程度しか動かないと予想される。断層は鳴門市沖にも走っているが、水深はそれほど深くなく、動かされる海水の量は多くないだろう。

 県は、活断層上に学校や病院など、公共性の高い建物を建てることを制限しようとしている。活断層の上に建物を建てようとして、住民の反対運動が起こるという現象は、すでに各地でみられる。そういった場所は、グリーンベルト(緑地帯)を作ったり、駐車場にしたりといった方法で活用することも一案だろう。

 南海トラフもそうだが、日本に住んでいる以上、多くの場所では地震は避けられない。自分が住んでいる場所にどんな活断層があるかを知り、有効な対策を取っておくという基本的な考えが大切だ。(聞き手・中川竜児)

     ◇

 岡田篤正(おかだ・あつまさ) 立命館大教授。県中央構造線活断層図検討会委員長。過去にも中央構造線の調査のため県が設置した委員会の委員長も務めた。日本活断層学会の初代会長。岡山県生まれ。70歳。

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