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2012年8月31日21時11分

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北陸各県、深刻被害を想定

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 活断層は富山、石川、福井の各県にある。これらの活断層が動いたらどうなるのか。自治体は深刻な被害を想定している。

■富山県 「1分で津波」想定も

 政府の地震調査研究推進本部が挙げる主要断層のうち、県中心部を南北に走る呉羽山断層帯が、最も大きな被害を引き起こすと警戒されている。

 全長約35キロ。このうち12.7キロは日本海に延びる。引き起こす地震の規模はマグニチュード(M)7.4。3千〜5千年に1度発生し、発生確率は今後30年以内に「ほぼ0〜5%」とされている。

 東日本大震災や東海・東南海・南海地震のような海溝型(プレート境界型)地震が数十〜数百年に1度起こるのに比べると発生確率が低く、前回の地震は記録が残っていない。

 東日本大震災後、富山県は被害想定を見直し、最大の死者数を地震で4274人、津波で125人とまとめた。家屋の全壊も、最大で地震約9万棟、津波約4百棟とした。

 断層のずれによって地盤がずり上がる西側で被害が大きくなり、死者数は震度7に達する富山市で1451人、高岡市で1556人、射水市で1127人とされ、3市で県全体の97%を占める。

 断層帯が海域に達することも分かったため、津波についても初めて被害想定をまとめた。

 M7.4の地震が起きた場合、滑川市で最大7.1メートルの津波が2分で到達すると予測。富山市は5.2メートル、射水市は3.1メートルを最大とする津波が1分で届き、県内の全沿岸部で9分以内と予測した。(三島庸孝)

■石川県 複数が連動の可能性

 2千棟超の家屋が全半壊し、死者1人、負傷者300人以上にのぼった2007年の能登半島地震。民間研究所の調査で、この地震で動いたとみられる長さ18キロ以上の活断層が震源域の海底で確認された。

 県によると、県内には49の活断層があり、1995年度から3年をかけて、主に陸地の被害を中心に地震被害想定調査をした。

 震源断層の地区としては、「邑知潟断層帯」と、森本・富樫断層帯のある「加賀平野」、県南部の剣ケ岳断層を含む「大聖寺」、「能登半島北方沖」の計4カ所を想定した。

 96〜98年度には、森本・富樫断層帯でボーリングやトレンチ調査もして、評価を加えている。地震の被害想定として大きなものでは加賀平野の地震で建物の4%が全壊し、約2200人の死者が出ると予測し、防災計画の基礎としていた。

 しかし東日本大震災で、580キロの海岸線を持つ県内でも津波への危機意識が高まった。今年4月には県内の津波被害をシミュレーションした被害想定図をつくった。検討対象は、山形県から新潟県にかけての日本海東縁部▽能登半島東方沖▽同北方沖▽石川県西方沖の四つの海の断層帯だ。

 これまでは「連動の恐れがない」としていた複数の活断層も「連動の可能性がある」として被害を最大に評価した。能登半島東方沖を震源とする地震では、規模を示すマグニチュード(M)は8.0となった。これを踏まえた防災計画の見直しも進めている。(板倉吉延)

■福井県 原発への影響注視

 1948年6月28日に福井地震を引きおこした活断層を含む福井平野東縁断層帯が知られる。福井地震は「震度7」の区分をつくるきっかけになった大地震で、県の防災計画でも被害想定の元になっている。

 国内では95年の阪神淡路大震災までほぼ半世紀にわたり、福井地震(死者3769人)のほかに、死者1千人超の地震はなかった。

 だが、日本海に延びている活断層の海底部分は詳細がわかっていなかった。福井大の山本博文教授を含む研究グループは昨年、海底部分を調べて報告書にまとめた。活断層の長さは45キロ、活断層が起こすと考えられる地震規模は大きくは変わらないことがわかった。

 山本教授は「この活断層帯では福井地震を起こしたので、当面動かない感じはある。ただ、いざというときのため、活断層の上に病院や警察、原発など重要な施設を作らないことは必要だ」と話す。

 「原発銀座」といわれる福井県では、14基ある原子炉と活断層の関係が問題になっている。約40年前の建設時点は活断層でないと考えられていた場所もある。08年には、日本原子力発電の敦賀原発(敦賀市)の敷地内を走る「浦底断層」が活断層だと国が認めた。

 原子炉直下や原発の敷地内を通る断層(破砕帯)が注目されている。近くの活断層が地震で動いた際、ひきずられて動く可能性が専門家から指摘されており、日本原電などは掘削調査を開始した。(小堀龍之)

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